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世界の記述

2022年7月9日

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宮下洋一 (みやした・よういち)

ジャーナリスト

在欧ジャーナリスト。1976年生まれ。スペイン・バルセロナ大学大学院でジャーナリズム修士。『卵子探しています』(小学館)で小学館ノンフィクション大賞優秀賞。『安楽死を遂げるまで』(同)で講談社ノンフィクション賞を受賞。近著に『ルポ・外国人ぎらい』(PHP新書)がある。
 

 イタリアのドラギ首相もツイッター上で、「イタリアは、この悲劇に立ちはだかるアベ氏の関係者と日本国民に寄り添いたい」と述べている。

 多くの首脳がSNSを通じて、追悼の意を伝える中、ロシアのプーチン大統領は、安倍元首相の母と昭恵夫人に弔電を送っている。共同通信によると、同大統領は、「傑出した政治家」と安倍元首相を評価し、「彼の記憶はいつまでも心に残るだろう」と悼んでいる。

正確に伝えた特派員の〝日本像〟

 今回の襲撃事件で顕著だったことは、SNSを通じた情報の速さに加え、海外メディアのプロたちが、日本の状況を正確に見極めていたことだ。「日本の銃規制は厳格であり、銃撃事件は極めて稀である」といった表現が頻用され、日本の治安を不安視する声は、今のところヨーロッパメディアでは耳にしない。

 日本に駐在する各国の特派員が、日本での実生活を通し、安全な国であることを肌感覚で理解しているからに他ならない。一国の元首相が銃弾を浴び、死亡するという事件自体は衝撃だが、それでも日本が安全な国であるというイメージを的確に報じ、解説することができるのかは、彼ら特派員の「日本像」と深く結びついている。

 その意味においては、日本の歴史に刻まれた「安倍晋三銃撃事件」は、ヨーロッパ各国では、正しく伝えられたと考えていい。

  
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