2024年12月26日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年4月23日

 3月19日付ウェブ米Diplomat誌に、M. Taylor Fravel米MIT准教授及びDennis Blasko元米陸軍中国駐在武官が連名で寄稿し、米国の評論は、習近平は、従来の指導者よりタカ派であると論じているが、軍事予算の比率は前より増加しているわけでもなく、周辺海域への進出も習近平の前から始まったことであり、中国の政軍関係は習近平でそう変わったわけではない、と述べています。

 すなわち、Wall Street Journal紙とNew York Times紙は、習近平は軍を代表してタカ派的考えを持つと論評しているが、軍事予算が国家予算全体の中に占める割合は今までと変わっていないし、近海への進出は、以前から始まっているので、習近平の軍事政策は、過去の政策を踏襲しているものであり、特にタカ派だというわけではない。

 習近平がしようとしていることは、鄧小平以降の各指導者と同じように、軍との関係を強化して、軍と党とを掌握し、また、国家と言うよりも党に対する軍の忠誠心を維持するために、軍の近代化を進めているだけである、と論じています。

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 説得力のある論文で、事実その通りかもしれませんが、この論文がなんのために、あるいは、なんらかの政策的意図が背後にあって書かれたかは判然としません。  

 オバマ第二期政権の対中政策において、そんなに初めから身構える必要は無く、従来の継続で行えば良いという、対中接近に前向きの論説であるのかもしれません。

 はっきり言って、中国内の政軍関係を始め、中国の内情については、分からないことばかりであります。胡錦濤がなぜ中央軍事員会を離れたのか、彼の意志なのか、誰かの圧力なのか、中国共産党内部に何があったのか、憶測や分析はあっても、情報はありません。


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