ここで着目すべきは、同じ品目のなかで輸出と輸入をしていることである。一部は繰り返しの数字になるが、非電気機械は16.4兆円の輸出とともに7.7兆円の輸入、電気機械は13.7兆円の輸出で11.7兆円の輸入、工業用化学品は9.8兆円の輸出で9.4兆円の輸入、金属製品は5.9兆円の輸出で3.9兆円の輸入をしている。
ただし、乗用車は9.4兆円の輸出で1.3兆円の輸入、輸送用機器は6.8兆円の輸出で1.9兆円の輸入と、輸出に対する輸入の比率が低下する。もちろん、同じ品目といっても同じではなく、電気機械では資本財と部品を輸出して最終製品を輸入することが多いだろう。これを見ると、資本財においては大幅な輸出超過となっていることがわかる。
リーマン・ショックから回復できていない輸出
図1-1と図1-2は輸出額と輸入額の相対的関係を見やすくするために縦軸の目盛りを同じにしている。しかし、そうすると、相対的関係を見るためには良いが、鉱物性燃料の金額が大きすぎてそれ以外のグラフがつぶれて見えにくくなる。そこで、鉱物性燃料を除いたグラフが、図2-1と図2-2である。
図2-1で顕著なのは、2009年のリーマン・ショックの落込みが大きく、その後の回復が遅いことである。リーマン・ショック以前のピークを上回ったのは工業用化学品だけである。
リーマン・ショックによる需要減少とその後の円高で海外への生産移転が進んだということだろう。輸出総額でも2007年の83.9兆円を上回ってはいない。
一方、輸入を見ると、主要6品目はいずれもリーマン・ショック前のピークを上回っている。総額でも2007年の73.1兆円を上回っている。特に、工業用化学品1.79倍、電気機械1.39倍と伸びている。なお、電気機械の2021年の増加は、アイフォンをはじめとする携帯端末の輸入増によるものである。