図3-1と図3-2は、主要輸出および輸入品6品目を除いたものである。輸出を見ると鉱物性燃料1兆円、原料1.4兆円、繊維原料0.7兆円であるが、繊維製品0.1兆円、家庭用電気機器0.15兆円、家庭用機器800億円とわずかなものとなっている。
輸入を見ると、繊維製品3.3兆円、輸送用機械1.9兆円、乗用車1.3兆円、家庭用電気機器1.1兆円、繊維原料0.5兆円、家庭用機器0.2兆円となっている。
日本経済はどこへ向かうべきか
家庭用電気機器で見れば日本の凋落は甚だしい。しかし、部品や資本財の輸出ではまだ世界に伍している。家庭用電気機器の市場がそれほど大きくないことを考えれば、部品や資本財の生産に転換したのは正しかったのかもしれない。
だが、世界の消費者にアピールする製品では、乗用車はまだ存在感を持っているものの、パソコンや携帯端末では凋落したままである。また、そもそも輸出の総額が増えていない。
これは日本の国内総生産(GDP)も給料も増えないことと同じと解釈できよう。日本全体の停滞が、輸出でも生じているということである。