異端者が窒息する日本の組織
①中国、シンガポールに勝る、日本の組織の既得権益
中国でも既得権益はあるが日本のように、ずっと見直しが行われないことはない。なぜ、専制国家である中国でそのようなことが起きるのか? それは、異端に対して寛容だったり、異端であったりすることを物ともしない強い個性があるからだ。
シンガポールでは高級官僚が民間大手の社長になったり、大学教授に転身したりする。ある意味で、既得権益は温存されるが、ポジションが代わることで風通しはよくなる。
②組織の権力者が一旦権力を握ると離さない。
中国の共産党でも独裁者は最強であるが、常に権力闘争に晒されているから自律的な見直しは必然的に行われる。これに対して、日本の官僚組織や大企業組織では、誰も変えようとしないから、ぬるま湯状態となる。
③哲学のない人物が権力を握る
組織が停滞してしまうと類は友を呼び、イエスマンだらけになってしまう。誰も非難をしないからこれほど楽なことはない。一方、中国は世界一の競争社会だから、現状維持で生き残ることはできない。
保身ばかり考えるタイプが出世するから、それを見ている若者たちもそれが当たり前と思い、保身に走る社員ばかりになる。逆に男気を出して改革をする人物は干される構造になりやすいから、組織がさらに腐ってしまう。
このような組織のなかでは、異端者は、窒息死してしまう。あるいは、圏外に飛ばされてしまう。そして、それが変だと気づいていても、多くは黙って従っていく。
結果として、新規の提案や変革はできる限り潰す方向になり、発案者よりも管理者がはびこる構造になっていく。経営者や管理者たちは身を守る為ために責任回避して下請けに仕事をやらせて単に取り次ぎをするだけの仕事をするようになり、生産性は下がる一方だ。