2022年10月7日(金)

山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2022年8月14日

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 中央アジア諸国に資源調査に行った。中央アジアは3年ぶりだったがJICA(国際協力機構)の鉱山開発の友人からのお誘いがあったからだ。彼とはアフリカのレアメタル調査を一緒にやった仲であるが資源貧国日本にとって鉱山開発の最後のレジェンドである。

中央アジアのレアメタル資源の調査グループ

 ウクライナ戦争が終わらないので資源価格は長期的な上昇トレンド入りしたように見える。資源貧国日本は尻に火がついてから毎回慌てはじめる。まさに今の日本がその典型である。「備えあれば憂なし」は、分かっているが長期的視点が欠落しているから全ての資源価格が上昇してから騒ぎはじめるのだ。そこに円安ドル高が拍車をかける。

 今後、数年間は資源高騰が続くと予見しているが、日本産業界は今こそ資源国との協力を通じて積極果敢にレアメタル資源の開発を目指すべきである。

「探検」と「冒険」の違い

 

 さて、日本は資源開発にしても外交にしても政治にしても経済開発にしても全てのことに探検精神が失われて久しい。だからこの20年はどのような問題についても、何となく日本が世界に遅れをとっている印象が強い、と私は思っている。

 そもそも日本人は「探検」と「冒険」を同じ意味にとらえてる人が多いが、これは大きな誤解である。自己責任でリスクをおかすけれどもそこになんらかの探究心があって、同時に人の役に立ちたいとか世の中に貢献したいという志をもってのぞむ行為が「探検」なのだ。

 「冒険」というのは単にリスクをおかして自分のやりたいことをやるだけの行為である。例えば、資源開発で考える場合、鉱山開発がギャンブルだということは事実に近い。その鉱山に資源があるかないかということは開発して採掘して選鉱して実際に品位を確認するまでわからないからである。そんなギャンブルはしない、というのがここしばらくの日本のスタイルになってきている。

大国の3条件て何だ?

 大国の条件というのは人口と技術(軍事)と資源である。日本は元々資源開発をしない限りは大国の条件を満たせないのだから、他人の風下で何とか資源を分けてください、といった態度は自らを卑下した行動になってしまう。ギャンブルはギャンブルとして、積極果敢にまずトライする必要があるのではないだろうか?

 世界で第3位の経済大国であるのだから、ただ単に発展途上国に対する政府開発援助(ODA)をすることで国際貢献をしているという発想を捨て、自らが探検精神を持って資源を開発するとか、環境を維持するとか、貧困国におけるインフラを直していく、といった行為が必要である。むろんそれは簡単なことではない。

 物を売ることも大変に難しいが、資源の開発といった仕事は通常の経済活動の100倍も難しいと私は考えている。

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