サラリーマン化した日本人が負けるのは当然
サラリーマン化というのは大企業がかかっている病気の一つだ。だからこそ、その病気におかされていない中小企業にみなぎっているエネルギーや活力こそ日本の社会に必要なものだと考える。
蝶理という中堅の大企業から中小企業にやってきた私だからこそ自信をもっていえることだが、中小企業にはもちろん弱みもあるけれども、強みもたくさんある。例えば大企業病におかされていないから、自由な発想がどんどん出てくるし小さな会社でも建てるオンリーワンの専門分野を開拓したりどこの会社にも負けない特殊技術で隙間産業で活躍したりすることができる。
そして私たちも仕事と実益を兼ねる山師の集団として、大企業にはびこる利権構造や権威主義とは一線を画した発想で仕事に取り組んでいきたいと思っているわけである。
以前、ノーベル賞受賞者の故小柴正敏博士が子どもたちに授業する姿を見て感動したことがある。故小柴博士は子どもたちに向かって「夢の卵を3つ4つ追いかけながら大人になってください」というようなことを言っていた。
私もその通りだと共感した。子どもの時に産み落とした夢の卵を3つ4つ。ずっと大事に暖めて、いつか卵から雛に孵るような発想を持ち続けられる人こそ成功すると思う。
夢なんだから実現できるかどうかなんてわからないけれども、それでもずっと持ち続けることが肝心なのだ。大体筆者たちが取り組んでいる鉱山の開発だって、儲かるか儲からないかなんて誰にもわからない。
もちろん開発費用を捻出するために、ある種の科学的根拠を基礎にして、儲かりそうだという経済的かつ合理的判断が必要だけれども、結局つまるところ、山師は夢やロマンを追う探険家なのである。
それは大航海時代に新天地を求めて、海に旅立った人々と似ていると思う。