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バイデンのアメリカ

2022年9月19日

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斎藤 彰 (さいとう・あきら)

ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長

1966年早稲田大学卒業。68年米カリフォルニア州立大学バークレー校大学院修士課程修了、70年読売新聞入社。ワシントン常駐特派員を2度務めた後、アメリカ総局長、東京本社取締役調査研究本部長などを歴任。著書に『中国VSアメリカ』『アメリカはカムバックする!』(いずれもウェッジ)がある。

 両教授はこのように説明した上で、「同事件にかかわるトランプ氏の行動パターンと意図は、すでに上記の2つの大罪容疑で起訴されている過激組織リーダーたちと何ら変わることはなく一貫したものだ」「前大統領を起訴することは、ある種の危険をはらんでいることはたしかだが、権力にしがみつく目的で最も深刻な犯罪を犯した一国の指導者の責任を問うことができなかったとすれば、代表民主主義そのものが生き残れなくなる」として、「トランプ起訴すべし」と結論付けた。

世論でも高まる「トランプ起訴」

 注目されるのは、このような「トランプ起訴」妥当説は、共和党ベテラン弁護士の間からも指摘されていることだ。

 その一人、ポール・ローゼンツァイグ氏はすでに、20年10月、有力誌「Atlantic」への寄稿エッセイの中で、「トランプ氏は、退任後であっても、捜査対象から除外されるべきではなく、正当な理由があれば、刑事告発されてもやむを得ない」と明言、司法省に対し、大統領経験者の起訴の前例がないからと言って躊躇しないようくぎを刺した。

 専門家のみならず、世論も、過半数が「トランプ起訴」に傾き始めている。

 ABCテレビが今年6月、実施した調査によると、58%の回答者が、連邦議事堂乱入・占拠事件に関連して「トランプ起訴」を支持、同年7月のPBS/NPR/Marist合同世論調査でも、過半数が支持表明した。

 米国大統領史を振り返ると、建国以来、さまざまなスキャンダルにまみれた大統領も少なくなかった。しかし、有権者が選出した後任大統領の就任阻止目的で暴動をそそのかし、自分が居座るために、すでに確定していた正規の「大統領選挙人」以外の〝代替選挙人〟まで手配するという、民主主義を根底から覆す横暴極まる行為は、トランプ前大統領が初めてであり、まさに「巨悪」というほかない。

 従って、もしこの「巨悪」が最終的に立証された場合、起訴処分を受けるのはむしろ当然であろう。

  
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