「転んで腕が伸びているところに他の車にひかれることがあります。アクシデントなので仕方ありませんし、試合中は集中しているのであまり痛くもないんです。試合が終わってから、あっ血が出ているとか、痛いなと思うんです。これだけ打ちこめるほど、バスケは自分の人生にとってかけがえのない宝物になっています」
その後アスリートとしての階段を駆け上がった田中は、2009年フランス・パリで開催された『2009ジュニア世界選手権大会』の日本代表に選出された。その候補選手は全国各地から岐阜県高山市に集められ、何回かの合宿を重ねながら篩にかけられていった。最終的にバックアップメンバーを含め14名が残され、ジュニアの日本代表として選出された。
「選ばれたときは、ただ嬉しいという思いだけでした。東京の親戚の家で電話を受けたので、自宅の母親にすぐに連絡を入れました。でもその直後、意識はメダルの獲得にいっていました。日本代表としての実感は、ユニフォームにジャパンと入っていて、それを着てみんなで行動したときです。改めて自分たちは日本代表なんだという嬉しさを感じました」
『2009ジュニア世界選手権大会』の結果は、カナダ、日本、メキシコ、スウェーデン、トルコ、フランス、オーストラリア、ブラジル、マレーシア、南アフリカ、スペイン、アメリカの参加12カ国中6位だった。
田中はこの大舞台の経験をスプリングボードとして、日本代表入りを目指している。そのための仕事と練習環境を整えるため、2011年にバークレイズ証券に入社し、所属チームも「NO EXCUSE」に移籍した。
「現在練習は週に4~5回で一日8時間程度。日本代表クラスの選手も同じくらいの練習時間だと思います。曜日によってメニューが変わるんですが、チェアスキルと言って走り込む日だったり、5対5など実戦に近い形でチームスキルの練習をしたり、日曜日は他のチームと練習試合をしています。
自分は直線スピードと相手をかわすスピード、フェイントが得意なんですが、これからはさらにスピードを速くすることと、シュートの確率を高めたいと考えています。これもバークレイズ証券に入ったことによって得られた環境ですし、支えてもらっているからこそ出来ることだと思っています」
頑張れば、思いもしなかった道が拓けるはず
日本代表への思いと今期の目標を聞かせてもらった。