Oil and Gas Investments Bulletin編集長のキース・シェーファー(Keith Schaefer)が、5月9日付Energy Reportのインタビュー記事で、シェールガス革命について、採算性及び可採埋蔵量の観点から疑問を投げかけています。
すなわち、ニューヨーク州のMarcellus、テキサスのEagle Ford以外のシェールガス田では、生産量が落ちている。この両ガス田によって、全米生産量が維持されている。米国における石油・ガス鉱床分布は調査済みであり、今後、大規模ガス田が見つかる可能性は低い。
これまでは、資金を安く調達することが可能だったので、採算性を無視して土地を確保してきた。しかしガス価格が低いために、新規投資は難しい(千立方フィート当たり4.5ドルを超えないといけない)。カナダでも同様の状況にある。全米での生産量が維持されているので、価格は当面上がらないだろう。
この数年、世界のエネルギー面での投資は、北米のシェールに集まっていたが、今や関心は再び北米以外に向けられつつある。最近のエネルギー面での大型鉱床発見は天然ガスに集中しているので、Royal Dutch Shell、Exxon Mobil等のメジャーもガスに関心を向けている。メジャーはガス田を押さえることで、資産額を維持しようとしている。
アフリカではメジャー以外の企業、例えばAfrica Oil Corp.がハイリスク・ハイリターンの案件を手掛けている。アフリカには、チュニジア、モロッコ等、比較的安全に操業できる国がある。北米資本はリスクを過度に恐れる傾向があり、アフリカでの開発資金の多くはロンドン金融市場からやってきている、と指摘しています。
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シェールガスについては、これまでも、その採取法が環境を汚染するとの観点から、懐疑論がありました。このインタビュー記事は、採算性と可採埋蔵量という、もっと根本的な理由から、シェールガス、シェールオイルへの過大評価を戒めています。現段階では、米国以外でのシェール生産は増えておらず、米国内ではじり貧になる可能性は排除できません。
シェールガス採掘企業は、供給契約を果たすために生産維持の追加投資を迫られており、資金ショート寸前に追い込まれた採掘企業もあるので、これまでシェールガス採掘企業に投資してきた中東のオイルマネーが大挙して撤退する危険性もある、という指摘もあります。