2023年2月6日(月)

MANGAの道は世界に通ず

2023年1月21日

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保手濱彰人 (ほてはま・あきひと)

キャラアート代表取締役会長。1984年生まれ。東京大学工学部中退。在学中に起業するなどして2014年に株式会社ダブルエル(現・キャラアート)を創業。現在は日本のポップカルチャー・コンテンツの国際展開を図ることに注力している。

「とりかへばや物語」と、『君の名は。』

 こうした背景には、我が国ならではの特徴がある。日本は、島国の恵まれた環境で、世界最長の王室たる天皇家のもと、長く繁栄を築いてきた。日本語という共通言語の元に、非常にハイコンテクストな文化を育むことができ、多様な創造力を発揮して物語を紡いできたのだ。

 既に平安時代には「とりかへばや物語」という、『君の名は。』(新海誠)で表現された「男女入れ替えもの」というジャンルが開拓されていたし、ものごとを変容(デフォルメ)するイマジネーションについては、世界随一だと見ることができるだろう。

 ハリウッド映画がどうしても「リアル志向」なのに対して、日本では、10代の少年少女が特殊な力を得て活躍する作品が多いのは、現実にはあり得ない設定を夢想して創造することができる、日本人のイマジネーションによる所が大きい。

 そのため、「通常ではエゲツない題材であり、万人に届け難い」ものを、デフォルメしたキャラクターで包み込む。それにより新規性あるテーマを、幅広い対象者に届けられるというのが、日本式マーケティングの妙味といえるのだ。

 苦味は優しく、甘味で包み込むことで相乗効果を得られるのだ。実は私も、各種漫画キャラクターをデフォルメ化したご当地商品を販売してヒットさせている。海外ではできない日本ならではの創作術。あらゆる分野のマーケティングに活きるだろうこの仕組みを、ぜひご自身のビジネスにも取り入れていっていただきたい。

  
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