戦争は続くが、両国とも実情は厳しい
ウクライナ戦争は長期化の様相を呈している。気になるのは、ロシアとウクライナの経済や軍事の力がどれだけ残っているかだ。
ロシアに関しては、経済制裁が効いているのか否かという情報が1年間を通じて飛び交てっていた。実態としては、じわりじわりと効いてきながら財政収支のマイナスへと向かっているが、当面は持ちこたえられるとの見方がある(「戦争長期化で歪み続けるロシア経済 もはや修復不能」)。しかし、カネはあってもモノが足りていないという状況が起きているとみられる(「プーチンによる侵略戦争はいつ終わるのか」)。こうした状況は時を経るごとボディーブローのように効いてくるとみられる。
実際に、インドネシアのバリ島には、多くのロシア人が滞在するようになっているという(「バリ島は海外脱出ロシア人の楽園なのか?」)。動員令の発令により急遽出国を決意した人もいたようだ。ただ、プーチン政権が崩壊するような軍事的敗北は、ロシア国民は誰も望んでないとも主張しているようで、ロシア国民の思いは簡単ではないようだ。
一方、ウクライナは、ロシア軍が攻撃の対象を電力施設など民間の経済インフラへと移したことから、大きな損失を被り、経済回復を見出せないでいるようだ(「ウクライナ経済の弱み握るロシア いよいよ冬が始まる」)。それでも、ウクライナ国民の士気は高いという(「電力攻撃、経済悪化に耐えるウクライナ ロシアに焦燥感」)。
ロシアによるウクライナ侵攻は、2年目を迎えようとしてしまっている。世界が変わるその時を見逃してはならない状況が続きそうだ。
『Wedge』2022年6月号で「プーチンによる戦争に世界は決して屈しない」を特集しております。
ロシアのウクライナ侵攻は長期戦の様相を呈し始め、ロシア軍による市民の虐殺も明らかになった。日本を含めた世界はロシアとの対峙を覚悟し、経済制裁をいっそう強めつつある。もはや「戦前」には戻れない。安全保障、エネルギー、経済……不可逆の変化と向き合わねばならない。これ以上、戦火を広げないために、世界は、そして日本は何をすべきなのか。
特集はWedge Online Premiumにてご購入することができます。
ロシアのウクライナ侵攻は長期戦の様相を呈し始め、ロシア軍による市民の虐殺も明らかになった。日本を含めた世界はロシアとの対峙を覚悟し、経済制裁をいっそう強めつつある。もはや「戦前」には戻れない。安全保障、エネルギー、経済……不可逆の変化と向き合わねばならない。これ以上、戦火を広げないために、世界は、そして日本は何をすべきなのか。
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