2024年4月18日(木)

勝負の分かれ目

2023年1月5日

堀口が指摘する「技術の遅れ」

 扇久保に完勝した堀口が奇しくも試合後にRIZINの5戦全敗の理由について「技術の遅れ」を指摘していた。なるほど、その通りだと思う。

 世界トップクラスの選手たちが集まる堀口所属の「アメリカントップチーム」のような米国のいわゆる〝メガジム〟にはフィジカルも含め打・投・極の各分野において日本とは違い、それぞれの専属コーチが棲み分けしながら技術指導を行っている。米国MMA界において、あらゆるケースに対応できるトータルファイターが数多く育成されやすい環境となっているのはこうした下地の違いがやはり大きい。

 それを象徴するかのようにベラトールの選手たちは今回の対抗戦でケージから不慣れなリングでの戦いを強いられたこともあってグリップを生かした破壊力抜群の打撃、さらに押し込んでのラッシュという最大の武器を封印されながらも、レスリングテクニックやグラウンドのスキルで活路を切り開いた。つまり多くの引き出しを兼ね備えるために必要不可欠な「技術の進化」こそ、現代MMAにアジャスト(対応)できるトータルファイターに求められる要素なのである。

 おそらく堀口は、このようなことを指摘したかったのであろう。厳しく言えば、こうした点こそがベラトールに全敗を喫したRIZIN、ひいては今の日本MMA界全体に不足し、十分に浸透し切れていないところなのかもしれない。

 いくら善戦したとはいえ、世界との差はまだまだ大きい。ただ、RIZINがリスクを承知の上でもベラトールとの対抗戦にようやく重い腰を上げて踏み切ったのは間違いなく英断だった。北米MMAの最先端レベルを体感し、危機意識が芽生えたことは何物にも代え難い。

 ちなみにRIZINには、まだ今回の対抗戦に出場しなかった朝倉未来・海の朝倉兄弟ら複数の主力選手もいる。仕切り直しのリスタートを切る2023年のRIZINに世のビジネスパーソンの方々もぜひ注目してほしい。(文中敬称略)

   
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