2024年7月13日(土)

Wedge REPORT

2013年6月20日

 現在、インドシナ半島を横断する「メコン第二南部経済回廊(ベトナム・ブンタウ─カンボジア・プノンペン─バンコク)」と呼ばれる幹線道路があるが、延伸される形でバンコクとダウェー間が12年に開通したことでブンタウ─ダウェー間が貫通した。

 これは太平洋とインド洋がつながったことも意味し、ダウェーの東西の結節点としての位置付けがさらに高まった。実際、タイからインドなどに輸出する際には遠回りしてマラッカ海峡を通って船便で運搬していたが、ダウェーまでトラックで運べば、3~4日程度短縮できるという。

 ダウェーはこれまでタイのゼネコン、イタリアンタイ社が中心となって開発してきたが、資金的に限界があることから、12年からタイ政府とミャンマー政府が共同で開発していく方針に切り替えた。それでも、資金が足りない。両国政府が50%ずつ出資する投資管理会社は資金をわずか2000万バーツしか有していない。開発費は総額3000億バーツとの見方もあり、現状では海外からの強力な投資を受け入れなければ計画が先に進まないのが実情だ。

内輪のメンツにこだわる日本政府

 5月22日に都内で開催された「タイ開発セミナー2013」で講演したインラック首相は「ダウェーはインド洋へのゲートウェイ」と地理的条件に優れていることをアピール、日本からの投資を促した。その直後、安倍晋三首相が日本企業を引き連れてミャンマーを訪問してテインセイン大統領と会談した際にも、ミャンマー側がしきりに日本に開発への参加を要請した。

ダウェー開発を進めてきたタイ建設最大手イタリアンタイ社長顧問の本田極氏

 イタリアンタイ社長顧問の本田極氏はこうした現状について、「ダウェーの開発は東アジア全体の経済発展に寄与する。日本が東南アジアでイニシアティブを取りたいのならば、開発に積極参加することが国益につながる」と指摘する。シンガポールや韓国が開発への参入を狙っているとの情報もあり、日本はうかうかしていると、主導権を握るチャンスを失いかねない。

 ダウェーの開発は日本企業の競争力を向上させていくためにも意義がある。冒頭で述べたように、日本の自動車産業はタイとインドの連携を強める傾向にある。すでにタイは「アジアのデトロイト」と呼ばれ、日本車のシェアが90%近くある牙城だ。しかもトヨタはタイ工場で生産した車を世界100カ国、ホンダも50カ国に輸出している。モータリゼーションが勃興し始めたインドも「新興デトロイト」だ。


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