2024年11月22日(金)

From LA

2023年1月11日

バッテリー冷却技術をデータセンターに応用

データサーバーの冷却装置

 自動車技術の応用のもう一つの例は、バッテリーを冷却するシステムを使ったデータセンターの冷却装置だ。データセンターはいうまでもなく大量の熱を発生する。従来はこれを空冷装置で冷却していたが、それに使われる電力は世界の電力消費の実に5%に達するという。

 これを解決するために、EVのバッテリーを水冷式で冷却し、そこから得られた熱量をエネルギーとして再利用する、というシステムをデータセンターの冷却として発展させたのだ。ヴァレオの担当者によると、このシステムを導入することで電気消費量は最大で80%低減できるという。またシステムそのものの価格は一つの「CPUユニット程度」なのだという。

 今後ますますデジタル化は進み、巨大データセンターは世界各地に建設が進められている。データセンターそのものが使用する電力、冷却のための電力が今後世界の電力需要を圧迫する、という試算もある。自動車の冷却装置をこれに活かすという発想は当たり前のようで非常に先鋭的な考え方でもある。

 この冷却装置はすでにシティ銀行、オラクルをはじめ世界の大企業のデータセンターに導入されている。自動車メガサプライヤーが他業種との連携により社会インフラ構築に乗り出すという好例となるのではないだろうか。 

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