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2022年11月29日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

(jetcityimage/gettyimages)

 世界最大の小売業であるウォルマートが好調だ。今年の6−9月期の売上は昨年比8.2%増、2年前との比較では17.4%増。またeコマース部門は16%増(2年で24%増)。傘下のサムズクラブやウォルマート・インターナショナルも順調に売上を伸ばしている。利益率は同社が抱えるオピオイド裁判などで圧迫されているものの、インフレが続く米国でライバルに差をつけつつある。

 最大のライバルと言われるアマゾンは、今年に入り株価が急落し、昨年11月に183ドルを超えていた株価は現在93ドル程度。一方のウォルマートは今年6月には118ドルまで下落していたが現在は153ドルに回復している。ウォルマートは実店舗、アマゾンはeコマース、というイメージが強かったが、アマゾンがストアを展開し、ウォルマートが積極的にeコマースに乗り出している、など両社のカテゴリーはより重なっている。その中でウォルマートが「勝ち」を収めるケースが増えているのだ。

「アマゾン」「ウォルマート」どちらを選ぶか?

 アマゾンのリサーチツール、ジャングルスカウトが行った調査でも、ウォルマートの強みがはっきりと出ている。1000人以上の顧客へのアンケートで「アマゾン」「ウォルマート」どちらを選ぶか、という調査だが、

  1. 製品価格 = 43%対36%でウォルマート
  2. 製品の配達の速さ = 37%対35%でアマゾン
  3. 配達コスト = 40%対29%でアマゾン
  4. 製品の認知度 = 41%対23%でウォルマート
  5. ウェブサイトの使いやすさ = 28%対28%でタイ
  6. プライムまたはウォルマート+ = 36%対19%でアマゾン
  7. 顧客リピート率 = 32%対23%でウォルマート
  8. アプリ普及率 = 26%対23%でウォルマート
  9. ブランド選択率 = 28%対25%でアマゾン
  10. 返品ポリシー = 24%対23%でウォルマート
  11. クーポン、ディスカウント = 13%対12%でウォルマート

 と、ブランド力ではややアマゾンが勝るものの、価格や顧客ロイヤリティの部分ではウォルマートが優位に立つ。また実店舗を展開しているウォルマートでは製品のピックアップや返品を店舗で行える、という点も高く評価されていた。

 一方でウォルマートがやや弱いのは会員サービス、ウォルマート+だ。アマゾンプライムと比較すると、プライムの月額が約15ドルに対し+は約13ドルではあるが、プライムのようなビデオや音楽のストリーミングサービスがない。若干の割引と無料配達だけでこの価格を支払いたい、と考える人は少ないようだ。ただし+にはガソリンの割引、店内でアプリをスキャンするだけで買い物が出来る、という特典もある。


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