ロシアはインドネシアにとり友好国
S氏によるとウクライナ侵攻後もインドネシア政府はロシアとは今まで通りの関係を維持しているという。インドネシアの製油所プロジェクトにロシア企業が関わっているし、貿易取引も制限していないという。ロシアはインドネシアにとり軍事的脅威ではないし、むしろロシアとの関係を維持することはインドネシアの多角的外交戦略に則っているという。昨年10月の国連での対ロシア非難決議にインドネシアが棄権したのは当然であるという。
シドメンの中学の男性英語教師もインドネシアが国連決議を棄権したのは非同盟中立多角的自主外交という立場から当然の決断と政府判断を支持。そして全ての国と等距離外交を維持するのが国益(national interest)と強調した。
他方で男性教師はジョコ大統領が中国と組んでインフラ建設ばかりに注力して公務員や公立学校教師の給与水準が低いままだと批判した。
地政学的にインドネシアはアジア太平洋の要
インドネシアは人口2億7000万人で経済成長も著しい。間違いなくASEANの中核である。地政学的にも中国、インドという巨大国家に接しているASEAN諸国を南端から支えている形となっている。インドネシアの南側には人口わずか2500万人のオーストラリアが広がっている。
アジア太平洋の平和維持にはインドネシアが安定して力強い存在であることが不可欠であることは自明の理であろう。インドネシアは米露中のいずれとも等距離中立外交を維持しており軍事同盟もなく、ましてや国内に外国軍の基地もない。それでも独立以来74年間平和を維持してきた。