2023年6月3日(土)

定年バックパッカー海外放浪記

2023年2月5日

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高野凌 (たかの りょう)

定年バックパッカー

1953年、横浜生まれ。神奈川県出身。大学卒業後は商社、メーカー勤務を経て2013年定年退職。2014年春から海外放浪生活を始める。放浪歴は地中海、韓国、インドシナ半島、インドネシア、サンチアゴ巡礼など。サラリーマン時代は主として海外業務に従事。ニューヨーク、テヘラン、北京にて海外駐在を経験。身長170センチ、57キロ。獅子座。A型。現在2人のご子息は独立し、夫人との2人暮らし。孫1人。

ロシアはインドネシアにとり友好国

 S氏によるとウクライナ侵攻後もインドネシア政府はロシアとは今まで通りの関係を維持しているという。インドネシアの製油所プロジェクトにロシア企業が関わっているし、貿易取引も制限していないという。ロシアはインドネシアにとり軍事的脅威ではないし、むしろロシアとの関係を維持することはインドネシアの多角的外交戦略に則っているという。昨年10月の国連での対ロシア非難決議にインドネシアが棄権したのは当然であるという。

 シドメンの中学の男性英語教師もインドネシアが国連決議を棄権したのは非同盟中立多角的自主外交という立場から当然の決断と政府判断を支持。そして全ての国と等距離外交を維持するのが国益(national interest)と強調した。

 他方で男性教師はジョコ大統領が中国と組んでインフラ建設ばかりに注力して公務員や公立学校教師の給与水準が低いままだと批判した。

地政学的にインドネシアはアジア太平洋の要

 インドネシアは人口2億7000万人で経済成長も著しい。間違いなくASEANの中核である。地政学的にも中国、インドという巨大国家に接しているASEAN諸国を南端から支えている形となっている。インドネシアの南側には人口わずか2500万人のオーストラリアが広がっている。

 アジア太平洋の平和維持にはインドネシアが安定して力強い存在であることが不可欠であることは自明の理であろう。インドネシアは米露中のいずれとも等距離中立外交を維持しており軍事同盟もなく、ましてや国内に外国軍の基地もない。それでも独立以来74年間平和を維持してきた。


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