2023年2月8日(水)

定年バックパッカー海外放浪記

2022年12月29日

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高野凌 (たかの りょう)

定年バックパッカー

1953年、横浜生まれ。神奈川県出身。大学卒業後は商社、メーカー勤務を経て2013年定年退職。2014年春から海外放浪生活を始める。放浪歴は地中海、韓国、インドシナ半島、インドネシア、サンチアゴ巡礼など。サラリーマン時代は主として海外業務に従事。ニューヨーク、テヘラン、北京にて海外駐在を経験。身長170センチ、57キロ。獅子座。A型。現在2人のご子息は独立し、夫人との2人暮らし。孫1人。

バリ島南端の楽園はロシアン・ビレッジ

ウンガサン地区の有料公営ビーチ、メラスティ・ビーチ

 バリ島の南端は断崖絶壁直下に真っ白な砂浜が広がるパライソだ。インド洋を望む美しい砂浜の大半はプライベート・ビーチ。不動産屋情報ではバリ島の南に位置するウンガサン、ウルワツ地区は富裕層が多く住むアナザー・ワールドであるという。熱帯雨林のなかに高級ヴィラや贅沢なリゾートが点在している。バリ島の他のビーチ・リゾート地区である、スミニャック、チャングー、サヌールなどの賑わいとは隔絶された閑静な別天地だ。

 12月6日。ウンガサンでヴィラの経営者から話を聞いた。それによると、この辺りは以前から『ロシアン・ビレッジ』と呼ばれているという。静かな環境と素晴らしいビーチに惹かれて10年くらい前からロシア人富裕層が住みはじめ、次第にロシア人が増えて来たという。近くにロシア領事館があるので安心感もあるのではないかとも。

法律事務所。ロシア語でビザ申請代行、会社設立相談、不動産契約作成等

 注)翌日訪問したところ地元の親ロシアのインドネシア人有力者が名誉領事として15年ほど前から運営している事務所。彼は12月にバリ島で開催されたG20サミットでロシア代表として訪れたラブロフ外相と記念写真に収まっていた。

 ウクライナ侵攻以来、ロシア人の流入が急増して、保育園(nursery)はロシア人の子どもで一杯となり、最近移住してきた別の外国人の子どもが入れなかったそうだ。また、付近にあるインターナショナル・スクールも満員になってしまい、ウェイティング・リストで順番待ちだという。カフェもロシア人客が大半なので最近ロシア語のメニューを作ったという。近くにはロシアン・カフェが数軒あると。また、ビザ申請代理店(Visa Agency)にはロシア人が列を作って並んでいるという。

 さらにインドネシア政府が10年間有効なセカンド・ホーム・ビザの創設を発表したので、益々ロシアの富裕層が増えるのではないか? と予想していた。日本円で2000万円程度の貯蓄があることが条件らしい。

ロシアン・ビレッジの中心通りを歩いてみれば

 12月7日。この情報を確認するべく、ウンガサンの中心通りをぶらぶら散歩してみた。土産物屋の女主人によるとロシア人が住居に使用するためにランプ、椅子、絵画などアンティーク・インテリアを買い求めに来るのでビジネスが骨董品中心になったという。コロナ前は大挙観光バスで押し掛ける中国人向けに小物の土産物を大量に並べていたというが……。

 ヘアサロン、エステ&マッサージの店では手の空いている女の子たちがロシア語を勉強していた。完全なロシアン・シフトである。

 2階建ての洒落たカフェ・レストランは午前10時30の時点で既にゲストはほぼ全員ロシア人。1階のソファ&テーブル席にはロシア人夫婦に2人の女の子。夫婦はどちらも英語はほとんどダメというが、人の好さが笑顔に表れていた。女の子たちはお絵描きに夢中。近くのテーブルでは40歳くらいの紳士がPCで作業中。聞くと、ベラルーシ人で2年前にルカシェンコ大統領に嫌気がさして出国。バリ島には1年前からロシア人のガールフレンドと一緒に住んでいるという。隣ではアラサーのロシアン女子3人が喧しくお喋りしていた。

 2階席ではいかにも徴兵逃れという感じの3人の20歳過ぎの若者3人がソファに寝そべってビールを飲んでいた。英語は不可とのことで不貞腐れた態度。少し離れたテーブル席では20代後半のロシア娘が真剣にPCワーク。

 DIYショップは、ビルの2階フロアにあり工具類、工作材料や建材などが並ぶ。日本の100円ショップとホームセンターを合わせたような雰囲気。客は大半が外人が多く、店員によると外国人の80%がロシア人とのこと。ロシア人はモスクワなどの都会では郊外にダーチャと呼ばれる別荘を持っておりDIY好きが多い。この日も子供を連れた父親の姿が目立った。


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