なぜかアメリカン・ダラー好きなロシア人
日本円の為替レートチェックのため大手の両替屋に立ち寄ると、恐ろしいばかりの円安でインドネシアルピーに対して大負けしている。円の両替は様子見することにして、商売はどうかとマネージャー氏に聞くと「中国人観光客と日本人観光客がゼロになったかわりに、ロシアのゲストが沢山来るので助かります」とのこと。
意外なことにロシア人はすべてアメリカン・ダラーを持参するという。しかもほとんどが新札らしい。ユーロなど他の通貨を持ってくるロシア人はいないとのこと。ちなみに当該両替屋では客筋はロシア人が70~80%で残りがオーストラリア、ヨーロッパという。
本当か? と念を押すとマネージャー氏は手元の札束をまとめて左手にユーロ、右手にアメリカン・ダラーを握って札束の厚さを比べて見せた。確かにドル札は5センチくらい、ユーロ札は1センチ未満であった。一目瞭然だ。
要注意人物のロシア人とは
地元住民向けのカフェ(値段が外人向けカフェの4分の1以下)に入ると、店長とその友人の2人だけ。友人氏は数人のオーナーからヴィラの管理を委託されている管理人という。彼が管理している12棟のヴィラのうち、11棟にロシア人が22人も入居している。もともとロシア人の入居者が多かったが、比較的中高年の住人が中心で何の心配もせずに賃貸契約を締結していた。
ところが、今年に入り比較的若いロシア人の賃借希望者が急増。その結果様々なトラブルが起こりオーナーも困っているという。一番多いのが酔っ払って大騒ぎをして近隣から苦情が出るというケースだ。また、酔っ払い運転で門塀や器物を損壊するケースもあり、しかも弁償しない。言葉が通じないこともあり話し合いがこじれることが多い模様。ゴミのポイ捨てとかゴミ出しルール違反とか細かいトラブルは管理人としてもフォローしきれない様子。
こうしたことから賃貸物件のオーナーの間ではトラブルメーカーのブラックリストを作って共有しているよし。管理人氏は不動産業者の協力を得て事前にパスポートの氏名、入出国履歴、年齢、出身地など慎重にチェックしてオーナーと相談しているという。特に男性数人が共同で賃借するケースは要注意なので念には念を入れてチェックするという。
参考までに欧米人若者が毎晩乱痴気パーティーを繰り返す〝クレージータウン〟チャングーには自前の救急車を備えた救急診療所がやたらに目立つ。目抜き通りには200メートルの間に3軒もあるほどだ。ゲストハウスのオーナーによると、ロシアの若者が酔っ払ってプールに飛び込んだり、喧嘩をしたり、急性アルコール中毒になったりで救急車の出動が急増。金儲けができると医者が他の地区から引っ越してきて救急診療所を開業しているのだというが……。
ロシアン・カフェレストランとは
亡命ロシア人の若者ジェリーから聞いた話では、ウンガサン地区には在住ロシア人たちがロシアン・カフェレストランと呼んでいる店は4軒あるという。その一軒である『スノウ・キャット』は比較的小さな店構えで20人も入ると一杯になる。午後3時という時間帯であったが8人の客は全員ロシア人であった。1人の店員はロシア人らしく客とロシア語を話しており、店の看板やメニューも英語・ロシア語併記だ。
ジェリーによるとロシア人の料理人による本格的ロシア料理を提供する店もあるという。さらにロシア人が大好きなシーシャ(水煙草)も置いてある本格的ロシアン・カフェもあるようだ。
ちなみにモスクワなどにあるカフェはカウンターに大皿に盛りつけた料理が並び、その横にボルシチやスープの鍋があり、客が指さしで注文してトレーに載せて更にウオッカやビールを載せてお勘定するというビュッフェスタイルが多い。