サンテックグループ 48.6%
LDKソーラー 55.9%
トリナソーラー 51.5%
JAソーラー 58.7%
中国政府の圧力が一定程度の成果をあげたが…
しかし、EUの構成メンバー国は、相次いで中国製太陽光パネル等への課税に反対することになる。EU27カ国中、14から17カ国が課税に反対するとの意見表明をECに対して行ったとされる。実際に27カ国中、21カ国から意見を得ているが、反対15カ国、賛成6カ国であったとロイターが報道している。反対したのは、ドイツ、英国、オランダなど、賛成したのは、フランス、イタリア、スペインなどと言われている。中国政府から各国政府に強力な働きかけが行われた結果が反対につながった。
不当廉売をECに提訴した中心となったのはドイツのソーラーワールド社だったこともあり、当初ドイツは課税に賛成だったと言われていた。しかし、メルケル首相の発言は昨年8月の訪中時点に「課税すべきではない、交渉による決着を望む」と変わり、決定が出される直前にはレスラー経済技術大臣の発言は「課税に反対する」になり、ECの結論が出される直前にはドイツは他の欧州諸国に反対するように根回しをしたとも報道された。中国の李克強首相が就任後初の外遊先の一つにドイツを選び、5月下旬に訪問したこともドイツの態度に影響を与えたと見るのが自然だろう。
加盟国の多数決で課税が決定するわけではなく、コスト以下での販売、即ち不当廉売が行われているかどうかが、課税するか否かのECの判断基準だ。6月4日にはECは中国製パネル、太陽電池、ウエファーに課税すると発表したが、5月時点の報道内容とは、以下の通り、かなり異なるものとなっていた。
・8月6日までの2カ月間、11.8%の仮税率が適用される
・その後4カ月間47.6%の課税が行われる。この税率により公正な競争が保証される
・中国との交渉を通し満足のいく代替案を見つける用意があるが、遅くとも12月5日までには5カ年に亘り恒久的な課税を行うか否か決める必要がある
発表文では、公正な競争がなければ、EU内で25,000人の職が失われる可能性があるとし、中国製パネルの値上げにより失われる職より大きい人数であるとしている。また、公正な競争を保証する47%の税率と同じ効果を持つ価格での販売はWTO違反ではないとし、暗に最低価格制度の導入を中国に勧めている。