ロシアにとって都合の良い大統領候補は誰か?
デサンティス知事の回答の中で、注目すべき点がもう1点ある。同知事は、ウクライナが自国の国境を越えてロシアを攻撃すること、戦闘機と長距離ミサイルをウクライナに供与することに対して慎重な姿勢を示した。米公共放送で外交・安全保障問題を担当するニック・シフリン記者は、同知事がバイデン大統領に賛成していると分析した。
デサンティス知事はトランプ前大統領の支持基盤にアピールし、他方でバイデン大統領と同様のメッセージも送っている。なぜ、そうしなければならないのか。
おそらく、外交・安全保障問題の経験と知識においてバイデン大統領に劣るので、その対策として意図的に、同大統領と同じ視点に立って語っているのではないだろうか。特に、この戦略はテレビ討論会の際に有効である。
いずれにしても、ウクライナ侵略を米国の国益とみなさないデサンティス知事とトランプ前大統領は、ロシアにとって都合が良い。日本の視点に立てば、ウクライナ支援縮小ないし停止により、ロシアを優位に立たせ、その結果、台湾問題で中国を勇気づける大統領候補は望ましくない。そう考えれば、ロシアに都合の良い大統領候補は、逆に日本とって悪い候補になるのではないだろうか。