2024年12月23日(月)

2024年米大統領選挙への道

2023年2月7日

 今回のテーマは、「ウクライナ支援を巡るバイデンとMAGA共和党の攻防」である。ドナルド・トランプ前米大統領を支持するMAGA(マガ Make America Great Again:米国を再び偉大にする)系議員は、ウクライナ支援「打ち切り」ないし「見直し」を主張している。彼らは、24年米大統領選挙と自身の選挙を視野に入れて発言をしていることは間違いない。

 では、米国民はウクライナへの戦闘機と長距離ミサイルの供与をどう見ているのか。ウクライナ支援は、24年米大統領選挙の日程と、どのように関係してくるのか。そして、ウクライナ支援に反対するMAGA系議員の最終目的は何かーー。

(marc chesneau/gettyimages)

バイデンと異なった見方をする米国民と支持者

 欧米諸国によるウクライナへの戦車の供与が決まり、焦点は戦闘機「F16」の供与に移った。ジョー・バイデン米大統領は、ホワイトハウスの記者団からの戦闘機供与に関する質問に対して、明確に「ノー」と答えた。

 しかし、雑誌エコノミストと調査会社ユーゴヴの共同世論調査(23年1月29~31日実施)によれば、ウクライナへの戦闘機供与について、米国民の43%が「賛成」、32%が「反対」と回答し、「賛成」が「反対」を11ポイント上回った。

 特に、バイデン支持者はウクライナへの戦闘機供与に積極的だ。20年米大統領選挙で、バイデン大統領に一票を投じた有権者の57%が「賛成」と答えた。「反対」は20%で、「賛成」を37ポイントも下回った。戦闘機供与に関して、バイデン氏と支持者の味方が相違しているのだ。

 一方、20年大統領選挙でトランプ前大統領に投票した有権者の48%が「反対」、33%が「賛成」と回答し、「反対」が「賛成」を15ポイントリードした。バイデン支持者とは対照的に、MAGA支持者はウクライナへの戦闘機供与に消極的だ。

 党派別も見てみよう。同調査では、民主党支持者の58%、共和党支持者の32%が「賛成」の立場をとった。

 バイデン大統領とMAGA共和党は、ウクライナへの戦闘機供与に関して慎重な姿勢を示しているが、その理由は全く異なる。

 バイデン大統領は、ウクライナへの戦闘機供与が状況をエスカレートさせ、「第3次世界大戦」に発展する可能性を懸念している。それに対して、MAGA共和党は、ウクライナ支援反対を、バイデン大統領に対する「政治的武器」に利用している。24年大統領選挙を有利に進めるために、バイデン氏を「ウクライナ対応で失敗した大統領」にする意図があるからだ。


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