2024年12月22日(日)

2024年米大統領選挙への道

2023年1月6日

4日、ケンタッキー州コビントンのクレイ・ウェイド・ベイリー橋の下で演説したバイデン大統領。21年後半に成立したインフラ投資法によって、ここに新たな橋が建設される。地元選出で、上院共和党のトップのマコネル院内総務もかけつけた(AP/AFLO)

 今回のテーマは、「過小評価されたバイデンとカウンターパンチ」である。読者の皆さんは、ジョー・バイデン米大統領に対して、どのようなイメージを抱いているだろうか。おそらく、「ヨボヨボした歩き方をする老人」や「物忘れが進んだ大統領」といったイメージを持っているのかもしれない。

 しかし、バイデン大統領は大統領就任後の2年間、多くの実績を残した。では、どのような成果を挙げたのだろうか。そして、バイデン氏は23年、次期米大統領選挙への出馬表明をしたドナルド・トランプ前大統領と、彼を支持するMAGA共和党(Make America Great Again:米国を再び偉大に)に対してどう出るのか――。

過小評価された2年間

 バイデン大統領はこの2年間、超党派でさまざまな法案を成立させた。ホワイトハウスのカリーン・ジャンピエール報道官は、1月3日に行われた今年最初の定例記者会見において、「2年間で、超党派によって成立した法案が、200本もあることを忘れないで欲しい」と、記者団に訴えた。

 例えば、それらには半導体産業支援法案、退役軍人を対象にした医療保険の適格性の拡大法案、インフラ投資法案、銃規制法案、同性婚の権利保護法案、改正選挙人集計法案、ウクライナ支援法案および、鉄道ストライキ阻止法案などがある。

 また、超党派ではないが、バイデン大統領は、米国救済計画法案並びにインフレ削減法案も通した。

 以前述べたが、バイデン大統領は、トランプ前政権で増加した財政赤字を1兆7000億ドル(約222兆円)まで減らした。年収が40万ドル(約5200万円)以下の米国民に対して、増税を行わないという公約を守っている。

 さらに、バイデン大統領は、2年間で97人の連邦判事を任命した。特に注目すべき点は、人種の多様性を促進するために、米連邦控訴裁判所において、すでに11人の黒人女性の連邦判事を任命したことである。米公共ラジオ(NPR)によれば、記録的な数字であるという。バイデン大統領は、白人男性中心の裁判所から、多様性のある米国らしい裁判所を目指している。

 バイデン大統領は、これだけの成果を残したのにもかかわらず、この2年間、過少評価されてきたのではないだろうか。

 では、次の2年間で、バイデン氏の評価はどのように変わり、それが24年米大統領選挙にどう影響を与えるのか。


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