2023年1月30日(月)

2024年米大統領選挙への道

2023年1月6日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授 心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08年~10年、12年~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年と12年米大統領選挙で研究の一環として日本人で初めてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。激戦州南部バージニア州などで4200軒の戸別訪問を実施。10年、14年及び18年中間選挙において米下院外交委員会に所属するコノリー議員の選挙運動に加わる。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。中西部オハイオ州、ミシガン州並びに東部ペンシルべニア州など11州で3300軒の戸別訪問を行う。20年民主党大統領候補指名争いではバイデン・サンダース両陣営で戸別訪問を実施。南部サウスカロライナ州などで黒人の多い地域を回る。著書に「オバマ再選の内幕」(同友館)など多数。

4日、ケンタッキー州コビントンのクレイ・ウェイド・ベイリー橋の下で演説したバイデン大統領。21年後半に成立したインフラ投資法によって、ここに新たな橋が建設される。地元選出で、上院共和党のトップのマコネル院内総務もかけつけた(AP/AFLO)

 今回のテーマは、「過小評価されたバイデンとカウンターパンチ」である。読者の皆さんは、ジョー・バイデン米大統領に対して、どのようなイメージを抱いているだろうか。おそらく、「ヨボヨボした歩き方をする老人」や「物忘れが進んだ大統領」といったイメージを持っているのかもしれない。

 しかし、バイデン大統領は大統領就任後の2年間、多くの実績を残した。では、どのような成果を挙げたのだろうか。そして、バイデン氏は23年、次期米大統領選挙への出馬表明をしたドナルド・トランプ前大統領と、彼を支持するMAGA共和党(Make America Great Again:米国を再び偉大に)に対してどう出るのか――。

過小評価された2年間

 バイデン大統領はこの2年間、超党派でさまざまな法案を成立させた。ホワイトハウスのカリーン・ジャンピエール報道官は、1月3日に行われた今年最初の定例記者会見において、「2年間で、超党派によって成立した法案が、200本もあることを忘れないで欲しい」と、記者団に訴えた。

 例えば、それらには半導体産業支援法案、退役軍人を対象にした医療保険の適格性の拡大法案、インフラ投資法案、銃規制法案、同性婚の権利保護法案、改正選挙人集計法案、ウクライナ支援法案および、鉄道ストライキ阻止法案などがある。

 また、超党派ではないが、バイデン大統領は、米国救済計画法案並びにインフレ削減法案も通した。

 以前述べたが、バイデン大統領は、トランプ前政権で増加した財政赤字を1兆7000億ドル(約222兆円)まで減らした。年収が40万ドル(約5200万円)以下の米国民に対して、増税を行わないという公約を守っている。

 さらに、バイデン大統領は、2年間で97人の連邦判事を任命した。特に注目すべき点は、人種の多様性を促進するために、米連邦控訴裁判所において、すでに11人の黒人女性の連邦判事を任命したことである。米公共ラジオ(NPR)によれば、記録的な数字であるという。バイデン大統領は、白人男性中心の裁判所から、多様性のある米国らしい裁判所を目指している。

 バイデン大統領は、これだけの成果を残したのにもかかわらず、この2年間、過少評価されてきたのではないだろうか。

 では、次の2年間で、バイデン氏の評価はどのように変わり、それが24年米大統領選挙にどう影響を与えるのか。


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