2024年4月21日(日)

2024年米大統領選挙への道

2023年1月6日

「施行の23年」

 米公共放送(PBS)のホワイトハウス担当記者ラウラ・バロン・ロペス氏は、「バイデン大統領にとって2023年は、施行の年である」と指摘した。インフラ投資法案、インフレ削減法案および半導体産業支援法案が、実際に運用される年になると言うのだ。

 インフレ削減法案を通じて、すでに1月1日から、糖尿病を患う高齢者を対象に、月に支払うインスリンの処方箋の上限額が35ドル(約4600円)になった。

 大統領就任後、2年間に成立した法案の施行により、残りの2年間で有権者がメリットを実感して、バイデン大統領の実績に対する再評価を行うと、24年米大統領選挙で民主党大統領候補に有利に働くかもしれない。

24年への布石

 上記で挙げた法案の中で、米軍がイラクとアフガニスタンで廃棄物を焼却した際、有毒ガスを吸引し、頭痛、麻痺、目眩やガンを引き起こした退役軍人に対する医療保険の適格性を拡大した法案は、票に直結する。

 また、同性婚の権利を連邦レベルで擁護する法案は、バイデン大統領の支持基盤を固め、LGBTQ(性的少数派)票の獲得に繋がることは確かだ。同大統領は、ロシアに逮捕されたLGBTQのバスケットボールプレーヤーブリトニー・グライナー氏と、ロシアの武器商人の身柄交換を行った。

 グライナー氏は22年12月8日、ロシアから釈放された。その5日後の同月13日、バイデン大統領はホワイトハウスで、同性婚の権利保護法に署名した。この一連の出来事は、LGBTQコミュニティーから評価を得た。

 バイデン大統領は現時点(23年1月5日)で、24年米大統領選挙への出馬表明をしていないが、上の2つの法案を通じて24年への布石を打ったと言えるかもしれない。


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