米ワシントン・ポスト紙が3月30日付で「ウクライナでの不法な戦争で、プーチンが最終的に裁判に直面するようにはどうするか」との社説を掲載、プーチンを裁判にかけることを論じている。論旨は次の通り。
3月27日、バイデン政権は公式にプーチンとその手下を、「侵略の罪」――第二次世界大戦後のニュルンベルクと東京での裁判でナチス・ドイツと日本の被告が告発された罪――で裁く特別法廷の設置を是認した。歓迎されるべきである。
ウクライナを攻撃したロシア軍とその司令官が捜査され、人道に対する罪を含む戦争犯罪について裁かれることは重要だが、不法な戦争を始める決定をしたクレムリン(ロシア大統領府)の主人の責任を問わなければ、捜査も裁判も不完全で不公正なものになるだろう。
国際刑事裁判所(ICC)はプーチンなどをニュルンベルクでの「平和に対する罪」で告発する管轄権を有していない。それで新しい司法メカニズムを作るための動きが昨年でてきた。
3月27日、初めて米国務省高官は、ウクライナ自身の司法システムの中に基礎づけられた特別裁判所(米欧諸国からの判事や検事を含むなど国際的側面も持つ)への米国の賛同を表明した。
プーチンの主権免除の問題や彼が欠席裁判の対象たりうるかなどの法的問題が将来複雑な問題を提起することは間違いない。プーチンが裁判を受けるために逮捕されるとすれば、おそらく、引退して普通の市民となり免除がなくなった場合だろう。
セルビアのミロシェビッチは手が付けられないと思われていたが、現職の国家元首として初めて戦争犯罪で告訴され、旧ユーゴ国際刑事裁判所の裁判を受けていた2006年に獄死した。
ウクライナでの侵略戦争の告訴を取り扱う裁判所の形や名前、規則は、裁判所がプーチンやその仲間に送るメッセージよりも重要ではない。どのような方法であれ、彼らには主権国家に与えた大虐殺への責任を負わせなければならない。
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ワシントン・ポスト紙がプーチンなどを侵略の罪で裁判にかけることを社説で提唱したことは意義深いことである。