2024年12月8日(日)

勝負の分かれ目

2023年4月17日

現地メディアでは、評価の声

 メジャー移籍後最長となる6回0/3を92球、クオリティースタートでまとめ上げ、3四死球として課題の制球難をクリアできたことは藤浪本人、そしてアスレチックスにとっても明るい兆しだ。

 米メディアは藤浪の〝3度目の正直〟について高い評価を与えている。MLB公式サイトも同日に「フジナミがA's(アスレチックス)で初の好スタートを切る」と題したリポートを掲載し「(15日の)土曜日はフジナミのピークではなかったかもしれないが、彼が目指しているレベルへの一歩を踏み出すことができたと感じた。この日本人右腕はコロシアムでメッツに2―3で敗れたが、6回以上を4安打3失点、2四球5奪三振の投球内容を残し、メジャーリーグでの最初の2試合の登板よりもはるかに良い結果を残した」と賞賛。

 「フジナミは最初の2回の登板で防御率17.55となり、いずれも5回を投げ切ることができなかった。この2試合での先発に共通するテーマは突然の制球難で、特に1イニングの制球が乱れることが多かった」としながらも「メッツ戦において彼はストライクゾーンを効率よく突くことで、悲惨なイニングを回避した。最初の4イニングをわずか54球で切り抜け、最初の四球は5回まで出なかった」と振り返り、自らの手で課題を封じ込めたと論評している。

 そして同サイトは「フジナミにとって、この日の試合はメジャーで成功するための青写真のようなものだった」との言葉も記載。2試合連続の背信投球で崖っ縁に立たされていた藤浪が自身の力によってメジャーリーガーとして生き抜いていくための活路を見出したことを褒めちぎっているのは実に印象的だ。

 他にも地元有力紙「サンフランシスコ・クロニクル」の電子版が「シンタロウ・フジナミが進化を見せるもA'sはメッツに2―3で星を落とす」とのタイトルで記事をアップし、藤浪の粘投を称えている。また「ピッチングニンジャ」の愛称で知られるMLB公認の投球アナリストのロブ・フリードマン氏も自身の公式ツイッター上に、この試合で2回一死に6番マーク・キャンハから空振り三振を奪った藤浪の投球シーンを掲載し「シンタロウ・フジナミ、邪悪なスプリッター」とのコメントも添付して激賞している。

 メッツ戦後のマーク・コッツェイ監督は藤浪の投球に関し「今日のマウンドは素晴らしいバウンスバック(立ち直り)だった」と称えるとともに「彼は素晴らしい仕事をした。今日の投球は攻撃的で、ずっと相手を支配していた」とも述べた。藤浪自身も「全体的に悪くなかったと思うし、いい力感で(試合を)通して投げられた。真っすぐである程度、押し込めた。次は7回を投げ切れるようにしたい」と反省点も忘れることなく、確かな手応えをつかんだ胸の内をさらけ出した。 


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