2024年5月4日(土)

都市vs地方 

2023年4月27日

若者にとって身近な議会に

 18歳の人たちから見れば25歳でさえ、すでに世代が違う。いわんや中高年の人が多く立候補する議員選挙を身近に感じろというほうが無理だ。

 若者が議員になることに不安を感じる人もいるかもしれない。彼らに政治判断する見識があるかどうか、確信が持てないからだ。しかし、政治判断をする見識は年齢という要素だけではない。現に、中高年の議員の間でも、贈収賄関係や私生活の乱れなど不祥事が絶えない。中高年だから見識が高いとは必ずしも言えないだろう。

 議員ではなく市長の場合だが、今回の選挙で芦屋市長に当選したのは26歳の人だ。有権者は若い世代の人の政治判断に不安を感じるどころか期待したのだろう。筆者は都庁の幹部職員だった時代に、武蔵村山市長に27歳の人が当選して、仕事の折衝で何度もお会いしたが、互いに年齢を意識することはなく、いい交渉ができたと思う。

 市区町村長は政治家であるが、行政の長でもあり、組織をガバナンスする資質や能力が必要で、25歳という被選挙権年齢を引き下げるには一定の議論が必要と思うが、少なくとも市区町村議員については18歳以上とすることを否定する根拠は乏しいのではないか。

 ここでは話をわかりやすくするために市区町村のことを述べているが、実は、衆議院議員に立候補できるのは25歳からで、参議院議員に立候補できるのは30歳以上である。衆議院議員より参議院議員の方が高い見識を要するという論は成り立たないと思うので、この年齢制限は根拠に乏しいと言うべきだろう。英国やフランスでは国会議員(下院)の選挙権も被選挙権も共に18歳である。

 市町村議会を活性化するためにも若い人を含め、色々な人が議員になって多様な議論を展開したほうがいい。長い年月を議員として務めることを筆者は否定しない。何度も当選するということは有権者に支持されているということだ。一方でアドホックに一期4年間だけ議員を務める人もいていいし、若いうちに議員を何期か務めて、その後、ほかの職業に就くケースもあっていい。

 筆者は超党派の全国若手市議会議員の会(45歳未満)や関東若手市議会議員の会に公共政策の講演などを通じてお付き合いを続けているが、彼らの間でセカンドキャリアの問題が話題になることもある。


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