2024年11月22日(金)

都市vs地方 

2023年4月27日

議員からの転職もありうる時代

 若くして市区町村議員になった人たちは、もちろん一生を通じて地方自治に身を捧げる気持ちの人もいるが、中年期に議員を引退して他の職業に従事する道を視野に入れている人も多い。

 転職を考える人にとっては、議員は一つのキャリアなのだ。一定数以上の人の支持と投票を得て選挙を勝ち抜き、議会でさまざまな分野の問題について立場や思想の違う人たちと議論を交わし一定の結論を得るプロセスは、転職してからの新しい職業で大いに役立つに違いない。

 筆者が知っている人に限っても、若くして議員を何期か務め、「この仕事は十分にやったので悔いはない」とか言って転職した人はけっこういる。ワイナリーをつくって成功したり、IT関係の起業をしたり、健康教室を立ち上げてそれなりの生徒を集めたり、進む道はさまざまである。

 行政書士、議員相手の研修会や情報誌の発行など関連分野で生きていく人もいる。世の中全体が転職当たり前の時代だから議員も転職あって然るべきだ。

 米国では地方自治制度が州ごとに多様だが、基礎自治体の議員は週1回程度の会議でありそもそも非常勤である。ドイツではほとんどの州で被選挙権、選挙権ともに18歳からとされている。英国の地方選挙の被選挙権は21歳以上である。フランスでは州、県、コミューンと三層構造の地方自治制度となっているが、そのうち最も基礎的な自治体であるコミューンの議員には、公務員の身分を留保したまま立候補し、議員である間、休職等の手続きをすることができる。

 市区町村議員の資格について硬直的な考え方を捨てることが議員のなり手不足を解消し、若者の政治への関心も高め、自治体議会を活性化する道ではないか。

 
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 あなたはご存じだろうか。自分の住む地方議会の議員の顔を、名前を、どんな仕事をしているのかを─。住民の関心は高まらず、投票率の低下や議員のなり手不足は年々深刻化している。地方議会とは一体、誰のために、何のためにあるのか。その意義を再考したい。
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