2024年7月13日(土)

インドから見た世界のリアル

2023年5月16日

 2001年に創設された上海協力機構は、中国やロシア、中央アジア諸国によって構成されている。イスラム過激派の情報を共有するのに適しているのである。ただ、問題がある。パキスタンがそれに加盟する可能性があったことだ。

 中国はパキスタンを長年支援してきた。そしてパキスタンが上海協力機構に入ることを模索した。

 もし仮に、インドが加盟せず、パキスタンだけが加盟していた場合、どうなるか。パキスタンは、インドに対してテロを行っているイスラム過激派のことを「自由の戦士」などと呼んで、正当化する。そして、上海協力機構に参加する各国を説得し、インドに協力しないよう働きかけるだろう。

 インドとしては、受け入れられない話だ。インドも上海協力機構に参加し、パキスタンの主張に反論しなければならない。だから、15年、インドとパキスタンは、両方が同時に、上海協力機構に加盟することになったのである。

 もともとインドにとって、上海協力機構は、パキスタンとイスラム過激派対策の場として有用である。今年、議長国になったインドは、国家安全保障局長級の会談と国防大臣級会談では、パキスタン政府高官のインドへの入国を認めず、オンライン参加とした。

 外務大臣級の会談では、パキスタンの外務大臣もインドへ入国できたが、インドの外務大臣とは2国間会談を行っていない。インドのパキスタンに対する怒りが、反映された状態である。

懸念される中国―パキスタン―タリバン連携

 ただ、中央アジアでは、インドにとって心配される動きが続いている。特に、今、心配されるのは、中国―パキスタン―タリバンが一帯一路構想を通じて協力する動きが出ていることだ。

 中国は、パキスタンと協力して、タリバン政権下のアフガニスタンにおいて、一帯一路構想によるインフラ開発プロジェクトを進め、アフガニスタンの鉱物資源を獲得するとともに、貿易ルートの開発を進めるつもりである。そのため、中国がパキスタンと共にタリバンを擁護する姿勢が目立ってきている。

 例えば、タリバンが、他の国では見られないほどの女性への抑圧的政策を進めているのに対して、中国とパキスタンは世界各国に対しタリバン政権下のアフガニスタンに対する援助を減らさないよう訴えている。

 一方、インドも、タリバン政権を承認しない状態であるが、アフガニスタンにおけるインド大使館は再開している。ただ、そこの警備部隊に女性兵士を送るつもりで、女性特殊部隊員の訓練を行っている。インドは、女性に対するタリバンの抑圧的政策には、正面から反対する態度である。


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