2024年11月22日(金)

勝負の分かれ目

2023年5月31日

手ぐすねを引く各球団

 オルニー氏が5月27日のESPN電子版でリポートした記事によれば、今季中のトレードではなく今オフにFAとなった場合の移籍先候補として、ロサンゼルス・ドジャースが最有力として挙げられ、これにサンディエゴ・パドレス、ニューヨーク・メッツ、ニューヨーク・ヤンキースが続き、次の2番手グループにサンフランシスコ・ジャイアンツ、シアトル・マリナーズ、シカゴ・カブスが入ってくるという。この輪の中にボストン・レッドソックスとフィラデルフィア・フィリーズが大谷獲得に名乗りを上げる可能性も指摘している。

 これだけの名だたるMLB球団が大谷のFA獲得に手ぐすねを引き、米メディアの間で北米プロスポーツ界史上最高額となる12年総額6億ドル(約835億8000万円)とも報じられている「メガディール」を水面下で着々と工面しながら二刀流スーパースターとエンゼルスの動向をうかがっているとみられているのだ。仮に今年7月末直前に風雲急を告げ、大谷のトレードにゴーサインが出されれば、エンゼルスのペリー・ミナシアンGMのもとには我先にと商談を持ちかける強豪球団が次々と殺到することになるだろう。

 ただ、1つ引っかかるのは、ここにきてエンゼルス側が大谷のチーム残留に関し「自信を強めているのではないか」と主張するMLB関係者が複数いることだ。そのうちの1人であり、前出のオルニー氏が大谷の移籍先候補として指摘したナ・リーグ球団の関係者は「タンパリングに抵触しない範囲において、オオタニに近い関係者やエンゼルス周辺に探りを入れているが、今のところ感触が良くない」と顔をしかめ、次のようにも続けている。

「オオタニはMLBルーキー時代からツー・ウェイ・プレーヤーとしての道筋を作り上げてくれたエンゼルスには感謝しており、可能であるならば残留したい。だが、そのネックとなっているのは言うまでもなく地区優勝を飾った2014年を最後にチームとして遠ざかっているポストシーズン進出。そして1961年の球団創設以来、2002年の1度しかないワールドシリーズ制覇だ。

 もちろん今季は最低でもポストシーズン進出を達成できれば、オオタニの残留へのモチベーションは多少なりとも高まるだろう。しかしながら、もしもそれが叶わなくてもエンゼルス側はオオタニに残留条件として総額6億ドルクラスのメガディールだけでなく、ラグジュアリータックス(贅沢税)の課税をも厭わない超大型補強で常勝軍団を作り上げて来季以降はエンゼルスを必ずやプレーオフどころかワールドシリーズ進出も狙えるチーム編成にすると約束しようと〝予防線〟を本気で張ろうとしているらしい。そうしたシナリオを描き、ミナシアンGMの背後から糸を引いているのがエンゼルス球団経営の最高責任者であるアート・モレノ・オーナーだ」 


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