「倹約主義者」はどう動くのか
しかし、モレノ氏はMLBの中でも「倹約主義」を貫くオーナーとして知られ、基本的にチーム編成としてラグジュアリータックスの課税を容認しておらず、これまでも歴代のエンゼルスGMたちを悩ませ続けてきたはずだ。そんな背景を踏まえた上で前出のナ・リーグ球団関係者はこのようにも補足している。
「昨年8月に球団売却を表明し、複数の資産家が新オーナー候補として名乗りを挙げていたが、モレノ氏は前言撤回。2023年以降もモレノ氏がオーナー職にとどまることになり、その心変わりの要因としてMLB関係者の間ではシーズンを重ねるごとに増し続けているショウヘイ・オオタニの〝価値〟に魅力を感じたこともかなり大きいとささやかれている。
だからビッグマネーを生み出すオオタニをチームに残留させるためならば〝先行投資〟は当然の選択であり、これまでの『倹約主義』を捨て去ってラグジュアリータックスの課税を事実上容認することなど、保有資産41億ドル(約5712億2000万ドル)を誇る大富豪のモレノ氏にとっては造作もないと言い切れる。とはいえ、モレノ氏には球団売却をあっさり取りやめて覆した〝前科〟があることからも分かるように、いとも簡単に自らの考えや発言をなかったことにしてしまうブラフ癖があるのも事実だ。そう簡単にオオタニ残留へ向け、事が運ぶとは思えない」
今年8月以降、あるいは来年2月からスタートする24年スプリングトレーニングで大谷はどこのチームのユニホームを身にまとっているのだろうか。いずれにせよ二刀流スーパースターの去就の行方は世界の経済界にも大きなうねりを生じさせることになるのは必至。世のビジネスパーソンたちも大いに注目してほしい。