最多勝もあるか? 「三冠王」も射程圏
そして、大谷にはこの日に果たしたMLB史上初の2年連続「2桁勝利&2桁本塁打」だけでなく、投打での個人タイトル独占という前人未到の大偉業も視野に入ってきている。以下、8月9日時点での成績で考察してみたい。投手として大谷はア・リーグ6位タイの10勝を飾り、12勝で同1位のザック・エフリン(タンパベイ・レイズ)とは2勝差に迫った。
防御率も3.17で同4位となり、2.69で同1位のネイサン・イオバルディ(レンジャーズ)ら上位の牙城に食い込みつつある。奪三振数も165で同3位となっており、183奪三振で同1位のケビン・ゴーズマン(ブルージェイズ)を今後の流れ次第で抜き去る可能性は十分にあると評していい。
一方、打撃部門では「三冠王」も期待されている。9日現在、大谷の打撃成績は40本塁打(同1位)、打率3割6厘(同3位)、83打点(同3位)。本塁打は両リーグでトップを堅持し、ア・リーグのみに絞ると31本塁打で2位のルイス・ロベルト外野手(シカゴ・ホワイトソックス)に9本の大差をつけている。
打率3割2分1厘でア・リーグトップを堅持しているのはボー・ビシェット内野手(ブルージェイズ)だが、右膝腱炎を患って負傷者リスト(IL)入り中で復帰時期は未だ不透明。89打点でア・リーグ1位のガルシア(レンジャーズ)も大谷は6打点差で追走しており、十分な射程圏内だ。
このMLBでの「三冠王」は1920年に公式スタッツが始まって以降、両リーグで達成したのは10人のみ。ディビジョン(地区)制となった1969年以降では2012年に成し遂げたミゲル・カブレラ内野手(デトロイト・タイガース)の1人しかいない。
さらに2021年以来、2年ぶり2度目のア・リーグMVPへの選出も現時点で確実視されている。もはや想像もできないスケールで歴史に名を残し続ける大谷の〝超進化〟を世のビジネスパーソンもぜひ目に焼き付け、日々の活力として欲しい。