2024年7月25日(木)

勝負の分かれ目

2023年8月16日

 攻撃に関してはノルウェーも強固な5バックを構築しており、日本も序盤はなかなかビッグチャンスを作れなかったが、宮澤がゴール前に飛び込む藤野あおば(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)をめがけてクロスを送り相手のオウンゴールを誘う。その直後に警戒していた空中戦の強さを生かされて同点とされたが、後半にMF長谷川唯(マンチェスター・シティ)の飛び出しから最後は右サイドを駆け上がってきた清水梨紗(ウェストハム・ユナイテッド)が決めて、勝ち越しに成功した。

 ノルウェーは178cmのFWアーダ・ヘーゲルベルグ(リヨン)を投入して、ロングボールで終盤の反撃に出てきたが、日本は裏返しの速攻から宮澤が鮮やかに抜け出して、大会5得点目のゴールを決めて、3-1と勝利した。4試合目にして初めての失点を喫したが、ここまで14得点で1失点、得失点差+13という数字は16強でも最も高く、11年の再現を期待する声も高まっていた。

〝力負け〟したスウェーデン戦

 池田監督や選手たちは再現というより、「今の〝なでしこジャパン〟で最高の景色を見る」という目標を大会前から掲げており、そのスタンスは変わっていない様子だったが、それだけ対戦相手にとっても警戒するべき存在になっていた。準々決勝の相手は、3連覇を目指していた米国と120分の死闘を演じ、PK戦を制して勝ち上がったスウェーデンだったが、2年前に東京五輪で3-1と破った当時の日本とは全く別のチームであることは見抜かれていた。

 前半はこれまで大活躍だった宮澤やコスタリカ戦で日本最年少のW杯ゴールを決めた藤野などの良さを全く出させてもらえず、日本のコンパクトな守備はスウェーデンの幅広いビルドアップにふりまわされて、後手を踏んでしまった。そして前半の失点は警戒していたセットプレーの流れからだったが、シュート数はスウェーデンが8で日本は0。熊谷やGK山下杏也加(INAC神戸レオネッサ)の頑張りがなければ、この時点で2、3失点目を喫していただろう。

 後半、池田監督は左サイドにスピードのある遠藤純(エンジェル・シティ)を投入して打開を図るが、幸先悪くMF長野風花(リヴァプール)の不運なハンドでPKを与えてしまい、追加点を決められた。それでも相手の疲労に助けられる形で、終盤には交代出場の林穂之香(ウェストハム・ユナイテッド)が追撃のゴールを決めたが、もう1点が遠かった。

 結果は1−2。悲願の初優勝を目指すスウェーデンも対戦相手を分析して、しっかり対策するコンセプトは池田監督の〝なでしこジャパン〟と似通ったところがあり、イエルハルドソン監督も選手たちが役割意識を持って、試合に臨んでくれたことを賞賛していた。終盤は確かに日本が押し返したが、そもそも日本がノルウェー戦から中5日、スウェーデンは中4日で、相手は米国戦で120分を戦っていたアドバンテージがあって、この結果だ。


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