2024年7月14日(日)

勝負の分かれ目

2023年8月16日

 「試合に入ってから中盤の選手を捕まえるところのずれを使われたり、われわれがプレッシャーをかけたところで長いボールに前線の選手が走ってきたり。われわれを困らせる攻撃に対して、少し時間がかかった」

 池田監督はそう前置きしながら「チームとしても個人としても、もっともっと上げていかないといけない」と語り、世界の頂点を勝ち取るためには現時点で力不足であることを認めた。ここまで〝ボールを奪う、ゴールを奪う〟という基本コンセプトを掲げて、チームを強化してきた池田監督は3-4-2-1(守備時は5-4-1)のシステムを固定しながら、相手によってボールを奪いにいく位置や攻め方を変えていく柔軟な戦い方を選手と共有し、チーム一丸で勝ち上がってきた。

世界を驚かせた〝なでしこジャパン〟

 結果もさることながら、試合のパフォーマンスは間違いなく世界を驚かせた。ここ数年、国内外で注目が下がっていた〝なでしこジャパン〟は間違いなく世界で認められ、国内での注目度も盛り返すことができた。しかし、ベスト8はベスト8である。スウェーデンにも全く勝つチャンスが無かったわけではないが、チームとしてうまくいかない時に個人が違いを作るとか、ピッチ内で状況を変えるとか、そういった解決力が不足していることは明らかだ。

 そして一人ひとりが個人のバトルで、スウェーデンに上回られることが多かったことも事実だ。11年の優勝監督でもある佐々木則夫JFA女子委員長は池田監督がそのまま継続して、来年のパリ五輪を目指すことを明言したが、チームとして完成度を高めるだけでは成長に限界がある。やはり選手個人がそれぞれの環境で揉まれながら、個の能力を高めていくことが大事になってくる。今回は海外組が9人だったが、おそらく来年のパリ五輪の頃にはもっと増えているだろう。

 しかし、国内の最高カテゴリーであるWEリーグがもっと良い意味で厳しい環境になっていかないと、日本の女子サッカーは決して強くならない。また今回はトレーニングパートナーとしてチームを支えた18歳のMF谷川萌々子(JFAアカデミー福島)など、これからA代表を目指していく若手の台頭も期待される。まずは来年のパリ五輪でのメダル獲得が大きな目標になるが、4年後のW杯で〝なでしこジャパン〟が世界の頂点に輝き、11年の再現ではなく〝上書き〟していくことを期待しながら、ここからも現場目線で見守っていきたい。

(文中敬称略)

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