2024年2月27日(火)

勝負の分かれ目

2023年8月16日

 結果はその通りになったのだが、驚かされたのが〝なでしこジャパン〟のパフォーマンスだった。グループリーグ初戦では、破壊的な突破力と決定力を誇るFWバーバラ・バンダ(上海盛麗)を擁するザンビアから5得点を奪い、かつ相手にシュートを1本も打たせることなく5−0の勝利を飾ると、2戦目のコスタリカに対しては終始、ボールの主導権を握りながら2つのゴールを奪って2−0という結果以上の危なげない完勝だった。そして2連勝のチーム同士となったスペイン戦は徹底した堅守速攻で、相手の背後を突いて4-0の大勝利。世界を驚かせることになった。

 3試合で11得点0失点という圧巻の数字に加えて、20人のフィールドプレーヤーのうち、肩の負傷明けだった浜野まいか(ハンマルビーIF)をのぞく19人がピッチに立った。スタートのメンバーもザンビア戦とコスタリカ戦では4人が代わり、スペイン戦は2試合出番の無かったDF高橋はな(三菱重工浦和レッズレディース)が右センターバックに入り、憧れの選手というFWジェニファー・エルモソを止めるなど、獅子奮迅のディフェンスで、無失点勝利に貢献した。

海外でも高まった日本への評価と注目

 メンバー発表の際、2021年の秋からチームを率いる池田監督は自信を持って選んだことを強調していたが、その言葉を裏付ける選手起用とパフォーマンスで〝なでしこジャパン〟は勝利を重ねながら、国内外の評価と注目を高めていく。現地で取材していた筆者は国内でどのように盛り上がっていたかは伝聞でしか知らないが、少なくともニュージーランドの会場では日本の国旗を身に付けた外国人や「ジャパン」のコールが増えていき、4試合目となったラウンド16のノルウェー戦では3万人の観客の大半が日本のサポーターであるような雰囲気になっていた。

 世界一となった11年の澤穂希に並ぶ大会5得点、そして三度のPOM(プレーヤー・オブザマッチ)に選ばれたMF宮澤ひなた(マイナビ仙台)はシンボリックな存在となったが、チームの組織的な完成度の高さ、そして対戦相手を徹底的に研究して、ストロングを消しながらウィークを突くチームワークがあってこそ、そうした個人の輝きにつながったのだ。チーム全員が勝つためにやるべきことを共有して、そこに個性を上乗せしていく。〝なでしこジャパン〟の戦いぶりに欧州強豪国のメディアも称賛の声が相次いだ。

2011年の再現を期待する声も高まった

 ラウンド16で対戦したノルウェーは過去の女子W杯で優勝を経験している4カ国の1つ(ほかは米国、ドイツ、日本)。欧州勢の中でも体格で日本を大きく上回り、強力なアタッカーを揃えた難敵であることは疑いなかった。しかし、日本は5-4-1の守備ブロックを組みながら、全体をコンパクトにして競り合いのこぼれ球などを相手より多く拾うことを心がけた。


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