2024年12月23日(月)

勝負の分かれ目

2023年7月21日

 オーストラリアとニュージーランドの共同開催で行われるサッカー女子ワールドカップ(W杯)は、20日にオークランド会場のニュージーランド対ノルウェーの試合で開幕した。結果は1-0でニュージーランドが勝利。なお同日にオーストラリアがアイルランドと戦い、こちらも1-0で、開催国が勝利した。

サッカー女子W杯が開幕。開催地の一つニュージーランドは街中もサッカー一色だ(AP/アフロ)

 出場国がこれまでの24カ国から32カ国に増える今大会。代表チームに対する分配金とは別に、選手にも参加するだけで3万ドル、16強に進めば6万ドルが分配されるなど、待遇に大きな改善が見られる。その代わりに、放映権料が大きく跳ね上がり、列強国でもなかなか自国でのテレビ中継が決まらない状況となった。

 日本も例外ではなく、これまで広告代理店を通じて、男子サッカーとのパッケージで放映権を購入していたこともあり、スポンサーなど資金的な見通しが立ちにくかったこともある。ついには日本の女子プロリーグであるWEリーグの高田春奈代表理事(チェア)がクラウドファンディングで資金を募ろうと動く事態にまでなったが、最終的にはNHKが開幕戦と日本戦を中継できる運びになった。

 そのニュースを壮行試合のパナマ戦の直前に知った〝なでしこジャパン〟のDF南萌華は放送決定の喜びを表しながらも、「本来なら争奪戦になるぐらいになって欲しい」という気持ちを明かした。そのためにはなでしこジャパンの躍進はもちろんのこと、今回の中継を通じて、女子サッカーの魅力や楽しさを全国に広めていくことが重要になる。

 池田太監督が率いるなでしこジャパンは南島のクライストチャーチで最終合宿を行なっており、22日に北島のハミルトンでアフリカのザンビアとの初戦に臨む。FIFAランキング11位のなでしこジャパンは2011年に世界一を果たして以来、3大会ぶりの優勝を待望する声もあるが、女子サッカーは世界的に成長を続けており、13年前とは勢力図にも変化が出てきている。

優勝候補は多数、群雄割拠の今大会

 優勝の大本命と見られるのは15年大会と19年大会に続く三連覇を狙うFIFAランキング1位の米国だ。〝生ける伝説〟ともいわれるFWアレックス・モーガン(サンディエゴ・ウェーブ)を筆頭に経験豊富なタレントがずらりと揃う。

 ただ、その米国を絶対王者と呼ぶことがはばかられるほど、ライバルも強力だ。特に、欧州王者のイングランドは初優勝に大きな期待がかかっている。女子のプレミアリーグに相当するFA女子スーパーリーグが急成長しており、ワールドクラスの精鋭が集結しているのだ。これに伴い、代表チームも成長を遂げている。


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