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2013年10月18日

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磯山友幸 (いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

1962年東京生まれ。1987年早稲田大学政治経済学部卒業。日本経済新聞で証券部記者、同部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め、2011年3月末で退社、独立。現在、経済政策を中心に政・財・官を幅広く取材、各種メディアに執筆するほか、講演やテレビ出演、勉強会の主宰など幅広く活躍している。オフィシャルHP(http://isoyamatomoyuki.com/)

著書に『2022年、「働き方」はこうなる』(PHPビジネス新書)、『理と情の狭間 大塚家具から考えるコーポレートガバナンス』(日経BP)、『国際会計基準戦争 完結編』(日系BP)、『ブランド王国スイスの秘密』(日経BP)など。共著に『オリンパス症候群 自壊する「日本型」株式会社』(平凡社)、『株主の反乱』(日本経済新聞社)などがある。

早稲田大学政治経済学術院(大学院)非常勤講師、上智大学非常勤講師。ボーイスカウト日本連盟理事。静岡県ふじのくにづくりリーディングアドバイザーも務める。

日経ビジネスオンライン(日経BP)、現代ビジネス(講談社)、フォーサイト(新潮社)、月刊 WEDGE(ウェッジ)、月刊 エルネオス(エルネオス出版)、フジサンケイビジネスアイ(産経新聞社)などに連載コラムなどを持ち、定期執筆している。

公共施設の運営権を
民間へ

 英国政府は国営の郵便会社「ロイヤルメール」を来年4月をメドにロンドン証券取引所に上場し、株式の過半数を売却する方針だ。英国政府も財政赤字に苦しんでおり、借金を削減するために国営企業の株式売却を進めている。日本でも日本郵政をはじめ、政府が株式を保有する政府系企業は数多く残っている。

 ようやく郵政の上場は動き出したが、有料道路や空港、上下水道など、財政赤字を抱える国なら真っ先に売却・民営化している資産がまだまだ国や地方の保有資産になっている。

 自民党の推計によると、有料道路、空港、上下水道、港湾、公営鉄道といった国や地方が持つ「料金収受型インフラ」の総資産価値は185兆円(負債96兆円)にのぼり、年間7兆円の収入を生んでいる、という。こうした政府・地方政府の保有資産を売却する余地はまだまだあるのだ。

 アベノミクスの成長戦略では「官業の開放」という言葉が盛り込まれ、コンセッション方式による官業の民間委託などを打ち出している。コンセッション方式とは空港や港湾など公共施設の運営権を民間業者に売却する方法で、11年6月に改正施行されたPFI法によって日本でも実施が可能だ。

 インフラを売却すると言うと、「外国のハゲタカに買われる」という反対論が出てくる。東欧の旧社会主義諸国などで空港などを外国資本に売却した姿が思い浮かぶのだろう。

 だが心配はいらない。日本が売却した資金を国債の削減に当てるならば、国債を保有している人の資金が、こうした民営化会社の株式へと移動するだけだからだ。日本国債の大半は日本人が持っているわけだから、売却する資産が優良資産であれば日本人もこぞって買う。

 本気で財政再建をしようと思うのなら、何が何でもプライマリー・バランスを黒字にし、借金を減らすために持っている資産を思い切って売却することだろう。せっかく消費税を上げても、その分歳出を増やしてしまったら、永遠に借金は減らない。

◆WEDGE2013年10月号より










 

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