日本の借金がついに1008兆円6281億円まで膨れ上がった。消費税増税の議論が活発化しているが、その分、歳出を増やせば借金は減らない。一方で、日本には629兆円の資産があり、そのうち428兆円が金融資産だ。借金を本気で減らすなら有料道路や空港など国の資産を売却してはいかがだろうか。
「国の借金」が今年6月末についに1000兆円の大台を突破した。財務省の発表によると、国債の発行残高に政府の借入金や政府短期証券を加えた「国の借金」の合計残高は1008兆6281億円。1年前に比べて32兆4428億円増加した。これまでも1000兆円乗せの予測が何度も立てられていたが、実際に1000兆円を突破したのは初めてだ。歳出の増加に歯止めがかけられず、借金の膨張が続いているわけで、このままでは2014年3月末には1107兆1000億円に達すると財務省は警鐘を鳴らしている。
このまま借金を増やしていけば、近い将来、国の信用が失われ、誰も日本国債を買わなくなる。つまり国債の暴落が起きかねない、というわけだ。2年前にイタリアで起きたような、高金利を出さないと国債が発行できない状況に陥れば、借金が借金を生む「借金地獄」から抜け出せなくなる。今のうちに何とかして借金を減らさなければならない、というのは紛れもない現実だろう。
実際、日本政府の歳出(一般会計)の4分の1は「国債費」である。国債の金利負担だけでなく、元本返済分も含まれる。民間企業の決算と国の決算の最大の違いは、借金をすると「歳入」、借金を返済すると「歳出」になることだろう。収入が足りなければどんどん借金し、支出を抑えるために借金は返さない。そこに借金大国に陥った1つの問題点がある。
「プライマリー・バランス」という概念がある。基礎的財政収支と言うが、話は簡単だ。年間の収入と支出をバランスさせましょう、つまり税収の範囲内に歳出を抑えましょうという事である。この収入には借金は含まず、支出に借金返済は含まない。普通の家庭で考えればごく当たり前のことで、大きな借金を抱えているのだから、毎月のやり繰りは収入の範囲内に収めて、これ以上借金は増やさない、ということだ。