世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年10月3日

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 近い将来における米中衝突の可能性は低い。しかし、無いわけではない。米中両国は、相互対話と軍事交流を増やして、お互いの意思を正確に把握することが必要である、と述べています。

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 米ソの戦略交渉の発端は、核軍縮交渉でした。当時ミサイルは全て地上発射でしたので、米国は偵察機及び人工衛星でその実態を正確に把握してソ連側に提示し、自らの資料も公開して、核軍縮交渉を成功させました。しかし、中国の核戦略は、当初から、秘匿が基本原則で、いまだに中国核戦力の実態は分かりません。

 また、軍縮交渉は、本来双方が平和的な意図を持ち、互いの軍備は防衛的であるという建前があって初めて、相互軍備削減に合意できます。しかし、中国の場合は、台湾併合に軍事力使用を辞せずと公言しているのですから、軍縮交渉の出発点がありません。

 基本的には、中国の軍事力がまだ、かつてのソ連のように、米国やその主要同盟国の安全を脅かすまでに大きくなっていないことがありましょう。そういう状況では、中国の脅威をあおり立てると、予言の自己実現となるというリベラルの議論が生まれることになります。

 しかし、中国の軍事力は、西側がそれを指摘するしないにかかわらず、年ごとに増大していることは事実であり、やはり、いつかは衝突回避のための真剣な対話を持つ努力が必要となるでしょう。

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