うつ病蔓延時代への処方箋

2013年10月22日

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――企業もひとつのコミュニティーとみれば、海部町の5項目を取り入れることで風通しの良い企業風土を作れると思います。ただ、何十年も経った企業、人を一気に変えてしまうのは難しい。せめて、弱音を吐ける職場、緩やかな結びつきぐらいは導入できるのはないかと思います。

岡:都会で暮らす複数の海部町出身にインタビューしました。会社で怒られたこと、考え方の違いなどで、へこんだことがあると言います。それでも「世の中には色々な人がいるのだから」と話を聞いたみなさんが言うのです。割り切りができており、弾力性、回復力を持っています。海部町では言葉で教わるのではなく、子供のころからの生活環境で自然に身についていくのでしょう。地域全体が共有する価値観が、家庭でも学校でも反映されているからだと思います。

 海部町の価値観を端的に言えば「情けは人の為ならず」です。この考え方があるからこそ、困った人を放置すれば、やがては自分たちに降りかかってくるので早めに援助する。学歴はあるが能力のない人がリーダーでは自分たちが困る。濃厚な絆は相手を縛ることになり、それは自分たちも縛る。自分本位のように見えてしまいますが、それこそが健全な社会を構成する、みんなが住みやすい町を作ることになるのだと思います。

[特集] 「心の病」にどう向き合うべきか?


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