2024年2月29日(木)

日本の漁業 こうすれば復活できる

2024年1月23日

 下表をご覧ください。22年の福井県のズワイガニの数量・魚価などをまとめたものです。まず水揚げの内容ですが、オスとメスでそれぞれ約4割、これとは別に水ガニが約2割となっています。

 水ガニというのは脱皮して間もない甲羅の柔らかいカニのことです。水分を多く含んでいるのが特徴です。それぞれの魚価をご覧ください。

 丸い数字で、オスがキロ1万円、メスが3000円、水ガニは1000円です。オスの魚価はメスの3倍、水ガニにいたっては10倍も違います。

 ちなみに23年(1~11月)のロシアからの冷凍ズワイガニの価格は、キロ1890円でした。輸入品にはメスはなく、オスだけです。しかも輸入品の価格は、加工後であり、かつ頭を取った肩と足が主体です。

輸入されたズワイガニ(筆者提供) 写真を拡大

 丸のままで換算すればさらに安くなり、国産のオス価格に比べ5分の1以下という計算になります。言い方を変えれば、国産はいかに高いかということです。

 ちなみに、輸入品には水ガニもありません。メスにしても水ガニにしても、価値が低く、かつ将来の資源にとっても良くないカニを、日本が輸入している国々は漁獲していないのです。

経済的に計算すればわかること

 本来行うべき政策は、日本が輸入している国々同様にメスと水ガニの漁獲を止めることです。メスと水ガニの漁獲量を減らし、その分オスの漁獲量を増やす。そうすることにより、消費者にとってはオスの価格が下がります。かつ、メスが海に戻されれば産卵して資源を増やしていく。本来このパターンが資源を持続させるために必要なのは言うまでもありません。

 資源が過剰なくらいあれば別ですが、水ガニの漁獲は経済的に論外です。ちなみに隣県の石川県では水ガニの漁獲を自主禁漁しています。オスとメスの価格は22年でそれぞれキロ7108円とキロ3269円でした。

 また京都府の一部の漁協で、今季から「モモガニ」と呼ばれる完全に成熟しきっていないオスのズワイガニを放流する新たな漁獲規制を設けられました。はさみが小さいのが特徴で、市場価格は2割程度にとどまると言われています。可食部が少なく商品価値が低いのは当たり前です。

 国産ズワイガニを少しでも消費者にとって身近なものにするためには、資源量が大きく回復すれば別ですが、メスや水ガニの漁獲を控えるべきなのです。


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