2024年12月15日(日)

日本の漁業 こうすれば復活できる

2024年1月23日

 2023年の年末カニ商戦は好調でした。これはカニの輸入価格が大幅に下がったことにあります。大幅に下がった理由は、米国が2023年6月下旬からロシアのウクライナ侵攻の制裁として、ロシア産水産物の輸入禁止に踏み切ったためです。

 このため、ヒートしていた国際買付け競争が落ち着き、タラバガニも含めカニの輸入価格が大きく下がったのです。しかし、現在の状況は一時的に過ぎません。

 このままでは需要増加による買付け競争再開で、価格は再び上昇傾向になるでしょう。そこで、ポテンシャルはあるものの、とてももったいない国産ズワイガニの資源管理の話をしましょう。

ズワイガニのメス(上)とオス(筆者提供)

 下のグラフは、毎年輸入の主力を占める、ロシア産の冷凍ズワイガニの価格推移です。ロシア産ズワイガニの比率は2023年(11月までのデータ)で全体の約7割と最大です。

 23年(11月まで)の輸入価格はキロ1890円でした。22年(同)のキロ3024円に比べて約4割(37%)も値下がりしています。

 ところで上のグラフで見れば、10年ほど前の輸入価格はキロ1000円前後で推移していたことがわかります。販売好調の要因となった安い価格ですが、23年に輸入価格がキロ2000円弱に下がりました。しかしこれは、いったん3000円~3500円前後まで上がった前年価格に対して下がったに過ぎないのです。国際的な需要増加に伴い、2000年~13年頃にキロ1000円前後だった価格まで下がることはもうないでしょう。


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