2024年7月16日(火)

中島厚志が読み解く「激動の経済」

2013年10月23日

 利益率も劇的に向上している。法人企業統計調査での今年4-6月期の企業の売上高経常利益率は、同調査が発表されだした1954年4-6月期以降で最高の5.0%を記録している(図表6)。

 利益率拡大はいまのところもっぱら製造業のなかでも大企業で、中小企業への広がりにはまだ乏しい。しかし、企業の利益が目覚ましく向上しだしていることには違いなく、早晩広がりとともに雇用賃金の拡大にもつながることが期待される。

 日銀短観をみても、企業(全規模全産業)の2013年度経常利益は前年度比9.2%増の見込みとなっている(図表7)。しかも、前回の短観発表からは上方修正されている。とりわけ、製造業大企業の2013年度経常利益増加見込みは大きく、前年度比でプラス24%にも達する。企業の収益増がトレードオフ状態の雇用と賃金の両方を今年度拡大に転じさせる可能性は十分にある。

 


新着記事

»もっと見る