賃上げの条件は整ってきた
今年に入ってからの景気回復、企業収益拡大と雇用情勢改善の勢いからすると、賃上げの条件は整ってきている。ここに、復興特別法人税の前倒し廃止や給与増減税といった企業の収益増と賃上げを促す減税措置が畳み掛けるように実施される方向にある。ここまで行われれば、よほどのことがない限り賃金は上がるとみるのが自然だろう。
むしろ、ボーナスが支給される年末や来年初の春闘を控えて、これほど賃上げに追い風の環境は近年あまりないことから、見るべきは法人税減税が賃上げにつながるかではなく、賃金がどれだけ上がるかだろう。
そして、今後注目すべきは、法人税の引き下げが企業活力と賃上げの安定的な好循環につながるかだ。失われた10年を経て、ようやく日本にも欧米主要国のように法人税率の引き下げで企業収益増と賃金上昇が同時に実現する経済基盤を構築するチャンスが巡ってきつつある。ぜひ、今回の法人税減税を、一時的な景気刺激策として終わらせるのではなく、持続的な景気の好循環につながるさらなる改革の始まりとしてもらいたい。
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