制裁から友好へ、日本も進むべき外交
実は、今回のアンゴラの件は、赤道ギニアの件以上に重要であるように思われる。なぜならば、経済支援によりウインウインの関係を築くという、今回の米国のアンゴラへのアプローチは、この記事でも指摘しているように、アンゴラのみならず「米国に無視され地政学的対立の捨て駒にされてきたと感じている国々への経済協力のモデル」にもなり得るからだ。
さらに言えば、「悪行に対して制裁する」というアプローチから、先方が望むなら、「相互に利益のある持続可能な関係」構築を実現できるという例になるからだ。米国は、外交手段として、そろそろ「制裁」を卒業すべき時期に来ているのではないだろうか。
それは、ウクライナの例を引くまでもなく、制裁の効果が益々限定的になっているということに加えて、今後の米国外交は、中露に比べて友人が多いという米国の強みを生かして、同盟国・同士国と役割分担しながら、グローバルサウスを含む「友人」を増やし、多数派を形成していくことに焦点を当てるべきであり、そのためには、「悪行を罰する制裁」では無く、「善行を引き出す協力」がますます重要になると思われるからだ。
日本も当然、この流れに乗るべきだろう。今後日米で、グローバルサウス諸国の内、どの国に優先的に関与していくかと、それらの優先国への期待とその実現のための協力の在り方についてすり合わせていく中で、是非とも連携を模索すべきだろう。