2024年12月22日(日)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2024年2月26日

 1月27日付WP紙は、‘U.S. deepens ties with Angola, a model for Washington’s ties to Africa’(米国のアフリカとの絆の好例;アンゴラとの関係強化)との解説記事を掲載し、アンゴラと米国の関係改善を説明している。要旨は以下の通り。

(Ahmed Zaggoudi/StudioM1/gettyimages)

 産油国アンゴラは、長期間インフラを中国に、武器をロシアに頼ってきた。しかし、1月下旬のブリンケン国務長官の同国訪問と米国資金による鉄道プロジェクト始動は、同国の路線変更を意味する。

 アンゴラは、2.5億ドルの鉄道プロジェクトを中国でなく米欧に頼った。アンゴラと米高官は、より幅広い経済ブームを期待している。

 昨年アンゴラ外相はロシア外相に対し、ウクライナ戦争が第3次世界大戦を引き起こす懸念を公開の場で表明。長年の支援者(ロシア)にとっては厳しい言葉だった。

 米アンゴラ関係改善はアンゴラのみならず米国に無視され地政学的対立の捨て駒にされてきたと感じている国々への経済協力のモデルでもある。ブリンケンの4日間のサブサハラ歴訪はガザ・ウクライナ紛争の最中に行われた。

 米政府高官は中露との地政学的競争という見方を否定し、競争相手と無関係に米国はアフリカと同様な関係を築いただろうとして、中国との競争関係は米国の対アフリカ政策と無関係ではないが一部に過ぎない、と言っている。

 アンゴラは独立後27年間内戦で、ソ連とキューバは政権側を米国は反政府側を支援してきた。2017年まで38年間政権にあったドス・サントス前大統領は米国に強い不信感を持った。対米不信は、港と内陸を繋ぐ鉄道を含むインフラ計画に中国他が財政援助する素地を作った。

 12年に完成したこのプロジェクトは計画通りにはならなかった。機材は粗悪品で中国は修繕しなかった。


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