2024年4月15日(月)

日本の漁業 こうすれば復活できる

2024年4月3日

大西洋と日本のイカナゴを比較してみた

 下のグラフは、大西洋全体(赤の折れ線グラフ)と日本(同・青)のイカナゴの漁獲量推移を示しています。かつて1970年代の日本のイカナゴ漁獲量は、現在の大西洋全体よりたくさんありました。イカナゴ資源は環境によって年ごとに増減はします。しかしながら、大西洋の場合は増減を繰り返していますが、日本の場合は右肩下がりで、資源状態は風前の灯火となっています。

 大西洋ではノルウェーをはじめ、科学的根拠に基づく漁獲枠が設定されています。また資源が減少傾向にあると「予防的アプローチ」によって漁獲量が制限されて回復を待ち、実際に回復していきます。

 一方、わが国の場合は漁獲枠がないか、仙台湾のように漁獲がほぼゼロでも、漁獲枠が9700トンも設定されている(24年は休漁)など効果がある数量管理による資源管理が行われていません。

資源を守る漁業とそうでない漁業

 下の表は、ノルウェーと日本のイカナゴの資源状態と将来性、漁獲枠と漁獲対象をまとめたものです。資源管理の違いにより、将来性が明らかに違います。資源が一時的に減少しても必ず復活するノルウェーと、資源の減少が続き枯渇に近づいている日本とでは、あまりにも対照的で悲惨です。

 次に下のグラフをご覧ください。生まれてくるイカナゴは、毎年変動を繰り返していることがわかります。またそれに伴い親魚の資源量も変動しています。大西洋では日本と異なり、漁獲するのは生まれたばかりの仔魚ではなく、フィッシュミール(魚粉)にする親魚です。

 また、北欧ではイカナゴに限らずサバでもニシンでも、ある年に生まれた個体数が特別に多い年齢群(卓越級群)を獲りすぎずに大事に増やしていきます。一方で、生まれたばかりのイカナゴを数量管理せずに仔魚を獲り続ければいなくなってしまうのは、環境要因云々の前に当たり前なのです。

 しかしながらこの「当たり前」のことがねじ曲がって不漁の原因として報道されているので、誤解ばかりが浸透しているというのが、誰も報じない現実なのです。

 筆者は、資源管理で北欧の水産業関係者とのパイプが太い数少ない日本人です。このため、誰かが本当のことを伝えないと、大変なことになる(すでになっている)ので微力ながらYoutube「おさかな研究所」でも発信を続けているのです。

連載「日本の漁業 こうすれば復活できる」の記事はこちら

   
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