そのうえで、頼氏は「中国からのさまざまな威嚇や浸透工作」に対処するため、国防力を強化し、経済安全保障を構築して、「世界の民主主義国家」と連携を進める考えを示した。
予期される議会を通じた中国の揺さぶり
今回の総統選挙をめぐっては、若者票の多くが野党候補者に流れ、立法院(国会に相当)において、民進党は第1党の地位を野党、中国国民党に奪われた。このような立法院における「ねじれ」現象は16年前の民進党・陳水扁政権以来であり、頼政権が直面する種々の内政問題の厳しさを表している。
頼氏の就任直前に立法院で国民党、民進党委員の乱闘騒ぎがあった。中国はこの乱闘は「使える」状況だと見ている可能性がある。
野党多数の状況を利用して、中国に有利な法律を通すなど、立法分野から頼政権を揺さぶろうとするに違いない。