そして、7月に三中全会を控える中で、中国経済の減速は益々明らかになりつつあり、輸出ドライブによる国内総生産(GDP)押し上げの試みは、習近平主席自ら働きかけた欧州を含め、各国の反発を招いている。ロシアとの関係は対欧州、対グローバルサウスとの関係で中国の人気に傷を付け、そのロシアは北朝鮮にまで手を出そうとしている。
そんな中で、中国としては、日米韓協力緊密化の中で実質的成果は限られることを承知の上で、日中韓での連携を模索せざるを得なかったのだろう。
中国が李強首相の参加であった意味
岸田首相は、中国による経済的威嚇や東シナ海・南シナ海での力による一方的現状変更に対する懸念を表明し釘を刺した。
一方、中国における本件首脳会合の位置づけが大きく変わることは無いだろう。正に、当初から習近平総書記でなく首相の担当になっていることが、中国側の位置づけを反映している。
主要20カ国(G20)、アジア太平洋経済協力会議(APEC)、新興5カ国の枠組み「BRICS」は習近平、日中韓首脳会合、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会合は首相が通常出席する。従って、習近平が日中韓首脳会談に出席する可能性は、日韓、日米韓の連携がこれまで以上に強力にならない限りは、余り高くない。やはり、自らが強くなることが今後も一番大事なのである。