2024年6月21日(金)

BBC News

2024年6月15日

イギリス王室のキャサリン皇太子妃は14日、自分の最近の写真と共に、自分のがん治療が「順調」だとするメッセージを公表した。15日には、ロンドンで行われた王室の伝統祝賀行事に出席した。今年1月に腹部の手術を受けたキャサリン妃が公の場に出席するのは、今年初めて。

チャールズ国王の公式誕生日を祝う15日の記念行事に参加したキャサリン妃は、家族と共に馬車に乗り、バッキンガム宮殿から近衛騎兵練兵場(ホースガーズ・パレード)へ向かった。恒例の閲兵式の後は、他の王族と共にバッキンガム宮殿のバルコニーに並び、笑顔で手を振った。

この日の祝賀行事は、国王の公式誕生日を祝う閲兵式で、「Trooping the Colour(トルーピング・ザ・カラー)」と呼ばれる。チャールズ国王の実際の誕生日は11月だが、イギリスでは6月に君主の公式誕生日を祝い、王室師団がバッキンガム宮殿近くの近衛騎兵練兵場で王を前に騎馬行進するのが伝統となっている。

この日はチャールズ国王もがんの治療中のため、閲兵式には馬上ではなく馬車から臨んだ。

がん治療の経過報告

この日の祝賀行事に先立ち、がんの治療を受けていることを今年3月に公表したキャサリン妃は14日、それ以来初のメッセージを公表し、「この数カ月の間に寄せられた、たくさんの温かい支援と励ましのメッセージに、圧倒されています。ウィリアムと私はおかげで大いに助けられ、二人が特につらい時の支えになってくれました」と感謝した。

自分の体調については、「順調ですが、化学療法を経験している人ならだれでもご存じの通り、調子のいい日と悪い日があります。調子の悪い日には、ぐったり弱って疲れてしまうし、休息する自分の体を受け入れなくてはなりません。でも調子の良い日には、元気だと思える日には、具合がいいというその感覚を最大限に活用したいと思います」と書いた。

さらに、「私の治療は続いていて、まだ数カ月かかります」と明らかにした。

そのうえでキャサリン妃は、「今週末の国王公式誕生日のパレードに家族と一緒に参加することを楽しみにしていますし、この夏にかけていくつか公式行事に参加したいと思っていますが、同時にまだまだ完全に大丈夫とは言えないことも承知しています。私は、辛抱することを学んでいます。特に、不安な状態で辛抱することを。1日1日が訪れるごとにその日を受け止め、自分の体に耳を澄まし、治るためになんとしても必要な時間をかけることを自分に許すようにしています」とも書いた。

メッセージには、ロンドン近郊ウィンザーの居宅近くで今週初めに撮影したという、近影も添えられていた。

皇太子夫妻の公務を管理するケンジントン宮殿によると、キャサリン妃は自宅での公務を再開しており、夏の間にいくつかの行事に参加する予定だが、公務への完全復帰ではなく、直前に予定が変更される可能性もあるとしている。

イギリスのがん研究団体「キャンサー・リサーチUK」は、皇太子妃が自分の治療の進捗(しんちょく)について報告したことに感謝した。

「自分も治療を受けている他のがん患者にとって、(キャサリン妃の)言葉はとても意味を持つはず」だと、同団体のミシェル・ミッチェル代表は話した。

リシ・スーナク英首相は、皇太子妃のメッセージはがんと共に生きる人やその家族にとって「希望と励み」になるだろうと述べた。

最大野党・労働党のキア・スターマー党首は、がん治療を続ける皇太子妃を「心から応援する」と述べた。

(英語記事 Kate returns to public events at Trooping the Colour / Kate making good progress and to be at royal event / Kate back for Trooping the Colour parade

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c2ll202vw5lo


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